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レーヴァティン

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第百九十七話 小田原入城その八

 英雄は実際に大雨が降る夜も酒を飲み女達を抱いた、そうして夜を楽しみそのうえでしっかりとだった。
 朝と昼は大雨の間も政に励んだ、雨は降り注ぎ続けるが。
 英雄は江戸城の中で政務を執りつつ周りに言った。
「動けないが」
「それでもですね」
「それはそれで出来ることがありますね」
「左様ですね」
「その間に関東の武蔵以外の国のことを知る」
 見れば関東諸国のことについて書かれた文を読んでいる。
「こうしてな」
「そしてですね」
「今後ですね」
「政に生かしていきますね」
「その様にされますね」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「今出来るならな」
「政もですね」
「取り掛かられますね」
「関東のそれに」
「そうされますね」
「そうしたい、雨次第だがな」
 それをするかどうかはというのだ。
「しかし出来るならな」
「雨は止んで欲しいですね」
「出来るだけ早いうちに」
「左様ですね」
「戦を進めたいことも事実だしだ」
 それにというのだった。
「それにこの勢いで長く降られるとな」
「本当に洪水も有り得ますね」
「川の氾濫も」
「だからですね」
「だからだ、早く止んで欲しい」
 このことも言うのだった。
「まことにな」
「全くですね」
「雨も必要ですが長い大雨はいりません」
「災害になるまでは」
「とても」
「そうだ、止めばだ」
 その時はというと。
「それに越したことはない」
「戦も出来ますし」
「それに災害も起きません」
「だからですね」
「出来るのなら」
「早く止んで欲しい、しかしこれはどうにもならない」
 天候のことはというのだ。
「俺達の誰も天候は操れないがな」
「風水師なら自然を操れますが」
「それでも限度があります」
「天候を操るなぞです」
「神の領域です」
「俺達のレベルは神の領域に達しているがな」
 英雄と仲間達はだ、これは久志と彼の仲間達も同じだ。そのレベルとステータスはその域に達しているのだ。
「しかしだ」
「それでもですか」
「天候を操ることはですか」
「出来ないですか」
「風水師でも災害を操るなぞ」
 それが出来ることはというのだ。
「神の領域でないと無理だ、レベルに加えてだ」
「さらにですか」
「神のレベルに達し」
「そしてですか」
「特殊技能がないとな」
 災害を操るそれがというのだ。
「それもその特技もかなりのレベルでないとだ」
「無理であり」
「上様でも無理ですね」
「そして他の方々でも」
「出来ないですか」
「俺達ではな、だからだ」
 それ故にというのだ。 
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