星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十七部第二章 第二次国境会戦その五十三
「若しもです」
「軍事的才能を発揮してもらえるなら」
「義勇軍でそうしてもらえるなら」
「それだけに留まれば」
その場合はというのだ。
「連合にとって有り難いですし義勇軍にとっても」
「素晴らしいですね」
「実に」
「はい、その才覚で発揮したものをです」
義勇軍においてだ。
「正規軍にも生かすことが出来れば」
「正規軍も強くなる」
「そうなれますね」
「そこまで考えますと」
「あの御仁は」
「義勇軍に入るか。新国家を樹立してもらうか」
八条は政治の話もした。
「どちらかがです」
「連合にとっていいですね」
「あの主席殿のことでは」
「はい、アッディ―ン大統領はそこまで考えず」
野心が希薄で謀略に疎い彼の場合はだ。
「義勇軍にお誘いをかけて」
「そしてですね」
「そのうえで」
「断られればもうそれまでです」
それで終わりだというのだ。
「その時点で」
「ご本人次第ですね」
「それからの人生は」
「義勇軍への参加を断られると」
「その場合は」
「はい、入国当初は話題になりますが」
それでもというのだ。
「やがてはです」
「話題に上らなくなり」
「一市民となりますね」
連合の中のというのだ。
「そうしてですね」
「残りの人生を過ごされますね」
「そうなります」
アッディーンの場合はというのだ。
「おそらく、しかし」
「シャイターン主席はですね」
「そうはならないですね」
「どうしてもその野心と謀略が問題ですね」
「危険なものがありますね」
「そうです、あくまであの御仁が敗れてです」
そうしてというのだ。
「連合に来られた場合ですが」
「その時はどうなるか」
「その時のことですね」
「そうです、しかしこうして考えていきますと」
事前にというのだ。
「やはり今後にです」
「生きていきますね」
「事前に予想をしておきますと」
「シュミレーションを行っていくと」
「それだけで違いますね」
「そうです、ですから」
八条もというのだ。
「考えているのですが」
「では対策も」
「それも」
「連合全体で考えられると思います」
そうなっていくというのだ。
「あの御仁が来るならば」
「連合に」
「その時は」
「そうなるかと。しかし思うことは」
それはというと。
「まだ未定です」
「このことはですね」
「戦闘中ですし」
「はい、あくまでです」
こう強く言うのだった。
「これからです、では」
「それではですね」
「これからのサハラをですね」
「見ていきましょう、シャイターン主席もアッディーン大統領も」
二人共というのだ。
「これからのことを」
「そうしていきますか」
「今の我々は」
「はい、ではワインも飲み終わりましたし」
三人共そうした、それで八条はあらためて言った。
「これで帰りましょう」
「そしてまた明日ですね」
「明日にですね」
「我々の仕事に励みましょう」
最後の一口を飲んだ、そうして八条達は席を立ち勘定を済ませ後はそれぞれの自宅に戻って休んだ。連合は日常の中にいて戦乱のサハラを見続けていた。
ページ上へ戻る