| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

雄猫も育てる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一章

               雄猫も育てる
 アメリカニュージャージー州にある動物の保護施設ホームレスアニマル=アダブションリーダーのスタッフ達はその話を聞いてだった。
 すぐにその場に向かった、スタッフ達は車で現場に向かいながら車中で話した。
「子猫が六匹ですね」
「まだ元気そうですし」
「ここはすぐに保護しましょう」
「そして里親を探しましょう」
「そうしましょう」
 こうした話をしてだった、そのうえで。
 彼等は子猫達がいるという現場に向かった、するとそこには。
 青いケースがありその中にはクッションが置かれていた、そしてその上に六匹の子猫達がいてだった。
 その状況を見てスタッフ達はまた話した。
「捨て猫ですね」
「この子猫達は」
「ケースに入れられていて」
「クッションが置かれていますから」
「そうですね」
「本当にこうしたことはなくならないですね」
 スタッフの一人が苦い顔で述べた。
「どうにも」
「全くです」
「生きものを捨てるなんて」
「こんなことをする人がいなくなって欲しいです」
「ですがどうしてもですね」
「そうした人はいなくならないですね」
 その子猫達を見て話した、見れば白猫に黒猫、白と黒の模様の猫と色々だった。幸い六匹共元気であり。
 そしてもう一匹いた、スタッフの人達はその黒猫を見て言った。
「この猫は」
「母親ですね」
「この黒猫も捨てられたんですね」
「母子で捨てられて」
「それでずっと守っていたんですね」
「育てていたんですね」
 こう思い黒猫も保護した、合わせて七匹が施設に入って里親を探されることになったが。
 スタッフの人達はその黒猫を調べて驚いた。
「あれっ、雄だった」
「この猫雄ですよ」
「母親と思ったら父親?」
「いや、どうも血縁ないみたいですよ」
 子猫達と、というのだ。
「何かこの黒猫近所の野良猫らしくて」
「ずっとあの辺りにいたそうです」
「それが子猫達を見て育てていたみたいですね」
「どうやら」
「雄猫は子育てしないのに」
 それが普通だがというのだ。
「六匹も育てるなんて」
「しかも血がつながっていないのに」
「こんなこともあるんですね」
「いや、驚きました」
「全くです」
 皆で話した、そして。
 猫達に名前を付けた、子猫達は雄が三匹雌が三匹いて雄はデンバー、ジャニー、ミッキーと名付けられ雌はミニー、リュー、マノンと名付けられた。
 雄猫にも名前が付けられ。
「子供を育てていたし」
「本当にお母さんみたいに」
「今もずっと育ててるし」
「この子はお母さんだな」
「本当にそうした子だから」
「ミセス=ダウト=ファイアーにしよう」
 この名前が付けられた。
「そうしよう」
「この名前がいいですね」
「この子に相応しい名前です」
「いいお母さんですか」
「その名前を付けてあげましょう」
「そうしましょう」
 スタッフ達は笑顔で話した、そして。
 ミセス=ダウト=ファイアーよくダウトと呼ばれる様になった彼は施設にいる間ずっと子猫達の傍にいて彼等を育てた。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧