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八条学園騒動記

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第六百六話 まだらの紐なのかその九

「そうなっているみたいよ」
「そうなんだね」
「ええ、ただ法的に問題はなくても」
「同じイギリス発祥で共演するのは」
「流石にないわね」
 これはというのだ。
「本当に」
「そうだよね」
「しかも外見がスパイじゃないから」
「007ってスーツだからね」
「サリーにターバンに口髭だと」
 マウリアの典型的なファッションである。
「もうね」
「どう見ても007じゃないね」
「けれどマウリアの人は男の人は皆この服装だから」 
 サリーにターバンだというのだ。
「口髭生やしていてね」
「それでなんだ」
「007でも」
 その彼でもというのだ。
「こうしてね」
「スーツじゃないんだ」
「そうみたいよ」
「お国柄が出たんだ」
 シッドは自分で言い聞かせる様にして言った。
「そうなんだ」
「ええ、マウリアの映画だし」
「そういうことなんだ」
「私が思うにね、けれどこんなに陽気に歌って踊る007は」
 エイミーは美女達と踊り歯をキラリとさせた彼を観つつ話した、そうしながらホームズと笑顔で話している。
「はじめて観たわ」
「マウリア以外じゃ観られないね」
「発想すらね」
 まさにというのだ。
「ないわよ」
「やっぱりそれに尽きるね」
「異次元にいる気分だわ」
「というかマウリアは異次元だってね」
 トムがこの言葉を出した。
「言う人いるね」
「マウリアに行って」
「連合とあまりにも違っていて」
 それでというのだ。
「それでだから」
「別の国で文明も違うから」
 エイミーも言った。
「それはね」
「あるね」
「ええ、けれど異次元って言われたら」
「否定出来ないよね」
「映画観てみたら、それでマハラジャタウンに行っても」
 マウリア人の連合でのコミュニティもというのだ。
「そちらでもね」
「異次元っていうと」
「そう思うでしょ、トムも」
「そうだね」 
 否定しない言葉だった。
「連合の中でも」
「連合じゃなくて」
「もうマウリアだね」
「そうでしょ、それでね」
「今もそう言うんだ」
「ええ、マウリアはかなり独特で」
 それでというのだ。
「映画はね」
「その中でもだね」
「特にそうで」
 それでというのだ。
「私もね」
「そう言って」
「今かなり唖然となっているわ」
「マウリアって本当に連合と違うね」
「その違いが凄いと」
 それならというのだ。 
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