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可愛い猫とオポッサム

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第二章

 自分のご飯のお皿の方に行ってだった、オポッサムに弱く鳴いた。
「ニャア」
「シャア」
 自分も食べたい、自分のご飯だという態度だったが。
 オポッサムはマリアを軽く威嚇した、すると。
 マリアは悲しい顔をして退いた、それでだった。
 妻は遂に彼女の分のご飯を別の皿に入れて出した、それでだった。
 マリアも食べることが出来た、しかし。
 その光景を見てだ、夫は妻に言った。
「いい動画になったな」
「そうね、じゃあSNSに拡散しましょう」
「そうしような」
「面白い動画だしね」
「こんなことがあるんだな」
「オポッサムがお家に来てね」
「猫のご飯取るなんてな」
「マリアには災難でも」
 それでもというのだ。
「こんなことがあるんだな」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「この子これからも来るかしら」
 ここで妻は夫にオポッサムを見ながら問うた。
「そうなるかしら」
「そうだろうな、一度食べたらな」
「ご飯があるってわかって」
「それでな」
「それもあるわね」
「だからな」
 それでと言うのだった。
「この子の分のご飯も用意するか」
「そうするのね」
「お皿もな、マリアもいつも取られていたら嫌だしな」
「凄く悲しい顔で訴えてくるし」
「それじゃあな」
「そうしましょう」
「すぐにお皿を買って」
 オポッサムの分もというのだ。
「これからはな」
「二匹でね」
「仲良く食べてもらうか」
「そうなる様にしていきましょう」
 並んで食べるマリアとオポッサムを見て話した、そして。
 実際にオポッサムの分のご飯も用意する様にした、すると見ると雄だった彼はもう二度とマリアのご飯を取らず。
 自分の分をマリアと並んで食べる様になった、やがてコニーと名付けられた彼は完全に家族になったが。
 マリアとは仲良くなった、それで夫は妻に話した。
「最初の出会いはとんでもなくてもな」
「それでもよね」
「こうして家族になったから」
「よかったわね」
「ああ、じゃあこれからはな」
「一緒にね」
「暮らしていこうな」
 二匹と、とだ。夫婦で笑顔で話した。見れば今マリアとコニーは一緒に寝ていた、寄り添って寝るその姿は完全に家族同士のものだった。


可愛い猫とオポッサム   完


                2021・3・22 
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