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ドリトル先生と不思議な蛸

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第六幕その六

「程よく奇麗かな」
「ああ、奇麗過ぎるとね」
「かえって生きものが暮らしにくい」
「瀬戸内海が今そう言われているし」
「奇麗さも程よくだとね」
「丁度いいんだったね」
「そうだよ、あまり汚くても駄目だけれど」
 それだけでなくというのです。
「奇麗過ぎてもね」
「駄目なんだよね」
「そうだよね」
「それでこの辺りは程よい」
「そうだね」
「そうだよ、これ位がね」 
 まさにというのです。
「いいんだ、日本は今は環境にかなり気を使っていて」 
「高度成長の時は違っていて」
「結構汚れていてね」
「赤潮とかも出て」
「深刻な状況で」
「公害も問題だったね」
「僕達が今いる三重県も公害があってね」
 それでというのです。
「四日市ぜんそくといって」
「ぜんそくね」
「ぜんそくも辛いよね」
「そちらもね」
「どうにも」
「うん、光化学スモッグのせいでね」 
 そのぜんそくはというのです。
「深刻な問題だったけれど」
「今は違って」
「平和だね」
「そうだね」
「その四日市市についても」
「そうだよ、工場から出すものに気をつけてね」
 そうしてというのです。
「対策を講じたらね」
「排気ガスとかね」
「それと産業廃水も」
「そうしたらね」
「奇麗になるね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「今この辺りの海もね」
「奇麗になったんだね」
「それで程よい奇麗さで」
「生きものも暮らしやすいんだ」
「そうなっているよ」
 先生は笑顔で言いました。
「有り難いことにね、そして生きものの調査もして」
「それでだね」
「またホテルに戻って」
「それでまたお食事ね」
「晩ご飯を楽しむのね」
「そうしようね、ただね」 
 ここでこう言った先生でした。
「今日は少し船に寄ろうか」
「船?」
「船って今乗ってるけれど」
「この船じゃないの」
「違うの」
「うん、別の船だよ」 
 今自分達が乗っている船ではないというのです。
「そこに行こうね」
「別の船だね」
「その船に行ってね」
「それでだね」
「その船に行って」
「また見るものがあるんだ」
「そうだよ、その為に行こうね」 
 こう言ってでした、先生は生きものの調査もしてでした。その後で鳥羽の港から街の方に行ってでした。
 そこにずっと停泊している大きな船に入りました、皆その船に入ってから言いました。 
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