歪んだ世界の中で
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第八話 友情もその三
「じゃあ一度機会があれば」
「お酒はいいものです」
真人の今の言葉は優しく、それでいてだった。
「心を癒してそして」
「そしてだよね」
「心を笑顔にもしてくれます」
「だよね。だからお酒は」
「百薬の長です」
それだとだ。笑顔で言うのだった。
「まさにそれですね」
「そうだね。飲み過ぎるとあれだけれど」
「かえって毒になりますが」
「敵量ならお薬だよね」
「まさにそうですね」
真人は希望の今の言葉に笑顔で返す。そうしながらだ。
希望にだ。こうも言った。
「では」
「もう一杯だね」
「はい、もっと飲みましょう」
笑顔で言ってだ。そのうえでだ。
二人で楽しく飲み続ける。その中でだ。
真人は今度はだ。希望にこうも言ったのだった。
「ではですね」
「うん、何かな」
「お菓子も食べますか」
「そうだね。最初は何を食べようかな」
「カントリーマアムはどうですか?」
柔らかめのだ。そのチョコレート味の菓子の袋を見ながらだ。真人は希望に提案した。
「遠井君好きですよね」
「これ滅茶苦茶美味しいよね」
「そうそう。こんな美味しいものもあるかって」
「そう思える位ね」
「ではこれにしますか」
「後はね」
真人がそのカントリーマアムの袋を開けるのを見ながらだ。希望はだ。
自分でだ。チョコパイの袋を開けながらだ。こう言ったのだった。
「これも食べようよ」
「あっ、チョコパイですか」
「これも美味しいよね」
「そうですよね。チョコレートと中のパイの味が合わさって」
「滅茶苦茶美味しいよね」
「あとこれもですね」
今度はビスケットだった。真人はそれの袋も開けたのだ。
「いいですよね」
「そうそう。お茶にも合うし」
「まあ今飲んでるのはお酒だけれど」
「そうですね。それじゃあ」
「これも食べよう」
「はい、それじゃあ」
こう笑顔で話し合ってだ。そうしたお菓子を酒を飲みながら楽しんでいってだ。
真人はだ。その中で言うのだった。
「DVD観る?」
「それですね」
「うん。何がいいかな」
「では。子供みたいですが」
少し気恥ずかしそうに笑ってから言う真人だった。
「ドラえもんにしますか」
「ああ、ドラえもんの映画ね」
「それどうですか?」
「いいね。やっぱりドラえもんっていいよね」
「そうですよね。安定した面白さといいますか」
「感動できるから」
ドラえもんの映画のいいところだった。誰が観ても笑顔になれて感動できる、そのよさがこのアニメにある。だから二人も今はそれをだというのだ。
だからだ。希望はそれを観ようと提案したのである。
「どうかな。それじゃあ」
「はい、ではですね」
「確か友井君の家はドラえもんの映画は」
「全部持ってますよ」
「そうだったね。全部だったね」
「それで何を御覧になられますか?」
「宇宙開拓史がいいかな」
少し考えてからだ。希望は述べた。
「それどうかな」
「宇宙開拓史ですか」
「うん。それでどうかな」
「いいですね。それとですね」
「宇宙開拓史の後で、ですね」
「宇宙小戦争はとうでしょうか」
真人は穏やかな微笑みで希望に話す。
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