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犬捨て公園で

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第二章

「そうなのよ」
「そうですか」
「ええ、じゃあ私達の施設に連れて行って」
「そうしてですね」
「里親を探しましょう」
 こう話してだった。
 二人はその犬を自分達の施設に連れて行った、そして獣医に診てもらうと痩せていたが病気は特になく。 
 マイクロチップもなかった、それであった。
「元の飼い主はわからないですね」
「もうそれ込みで、みたいね」
 ジュディは学生に暗い顔で述べた。
「捨てたみたいね」
「自分のことがわからない様にですね」
「マイクロチップを最初から入れていないか」
「出してですね」
「捨てたのよ」
「そうですか」
「悪い人もいるわね」
 その犬を見ながら話した。
「本当に」
「そうですよね」
「ええ、ただね」
 ここでだ、ジュディは。
 自分に懐いているその犬を見て学生に話した。
「この子私にかなり懐いているわね」
「ええ、見付けた時から」
 学生もその通りだと答えた。
「そうですね」
「だからね」
「それで、ですか」
「私が引き取ってね」
 そうしてというのだ。
「一緒に暮らすわ」
「そうされますか」
「これからはね。名前はね」
 今度はそちらの話をした。
「男の子で今思いついたけれど」
「どんな名前にしますか?」
「キャリーにするわ」
 その名前にするというのだ。
「これからはね」
「それじゃあ」
「ええ、キャリーこれから宜しくね」
「ワン」
 キャリーは笑顔で尻尾を振って応えた、そしてだった。
 ジュディの家に入って彼女の家族になった。そうしてジュディの両親にもよく懐いたがある日のことだった。
 家族が夜にテレビのニュースを観ている時だ、テキサス州で強盗犯が家の人に逆に射殺されたと報道されていた。
 ユウキ=タートルという柄の悪いチンピラだった、そのチンピラの死をニュースで観てだった。
 キャリーは悲しい顔になった、ジュディはそこで彼の元の飼い主が誰かわかった。だがそのニュースを観てそうした人間に相応しい末路と思っただけだった。そのうえでキャリーの頭を優しく撫でてあげた。


犬捨て公園で   完


                    2021・3・18 
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