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レーヴァティン

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第百九十五話 東国攻めその五

 英雄は武蔵の兵を一斉に動かした、そしてだった。
 地震は六万の兵を率いて相模に向かった、そこで諸将に話した。
「相模でも乱取りはな」
「一切許さぬ」
「左様ですね」
「兵達にも禄は与えているので」
「それはするな」
「それをした者は打ち首だ」
 容赦なくというのだ。
「そして魂も消す」
「極刑に処す」
「そうしますね」
「その際は」
「その様にしますね」
「そうする、また人に害を加えることもだ」
 これもというのだ。
「許さない」
「こちらも一切ですね」
「乱取りと共に」
「そうしますね」
「そして城を攻め落としてもだ」
 その際もというのだ。
「城の者達、女にもな」
「手を出すな」
「そうしますね」
「この度も」
「何があってもな、処罰するべき者がいれば俺が命じる」
 そうした者はというのだ。
「だからだ、いいな」
「奪わず襲わず」
「そのことはこの度も徹底する」
「断じて許さぬのですね」
「この度もな、俺達は戦をするのだ」
 それ故にというのだ。
「奪い襲いに来たのではない」
「はい、兵達にも命じておきます」
「そのことは」
「それも常にですね」
「一度や二度でなく」
「何度もだ、人は一度言われてもだ」
 それでもとだ、英雄はこうも話した。
「忘れるな」
「はい、どうしても」
「そうなります」
「ついつい忘れてしまいます」
「一度言われただけでは」
「だから何度もだ」
 奪うな襲うなということもだ。
「言うのだ、いいな」
「わかりました」
「ではその様にしていきます」
「上様の言われる通りに」
「その様にな、ただ禄は充分に払い」
 そちらの話もした。
「飯もな」
「常にですね」
「たらふく食わせる」
「その様にしますね」
「白い飯だけでなくな」
 それに加えてというのだ。
「どんな時でも味噌や漬けもの位はだ」
「食わせますね」
「常に」
「そうさせますね」
「そして飯にだが」
 英雄はさらに話した。
「麦も入れておくことだ」
「はい、それもですね」
「忘れてはならないですね」
「飯は白いものですが」
「麦も入れますね」
「まずいと言う者もいるだろうが」
 それでもというのだ。
「それは腫れにいい」
「大坂腫れですね」
「実は上様が旗揚げされるまで大坂等で困っていました」
「脚がむくみ身体がだるくなり」
「床に伏せる者も多くなり」
「そのまま寿命を迎えてしまえば」
 命を落としたというのだ、この世界は寿命が来るまでは復活の術で蘇ることが出来るが逆に言えば寿命が来れば絶対に死ぬのだ。 
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