レーヴァティン

「しかしな」
「自分はそうせんな」
「一気に攻めてだ」
「攻め落とすな」
「そうする、ただ力技では攻めない」
　それはしないことも話した。
「あの城は江戸城よりもさらに大きい」
「あの城はこの浮島の他の城とちゃうからな」
　耕平もこう言った。
「惣構えでな」
「つまり城塞都市だ」
「あの城はな」
「城があり街をだ」
「ぐるりと堀と石垣、城壁で囲んでる」
「だから巨大でだ」
　そうしてというのだ。
「迂闊に攻められない」
「堅固やしな」
「だからだ」
　そうした城だからだというのだ。
「迂闊にはだ」
「攻めんな」
「そうする、何ならだ」
　英雄はここで自分の腰を見た、そこにある天羽々斬を。
「これも使う」
「神器をやな」
「そうしてもだ」
「攻め落とすんやな」
「そうも考えている、力技は仕掛けないが」
「それでもやな」
「あの城は早いうちに攻め落としてだ」
　そうしてというのだ。
「相模全体をな」
「領土にするな」
「そうしたいからな」
　それ故にというのだ。
「あの国にはな」
「自分が行くな」
「安房の方は幸正に任せる」
　彼にというのだ。
「そして水軍を使ってだ」
「上陸して攻める、任せろ」
　その幸正が答えた。
「あの国はな」
「そしてだ」
「安房から上総を攻め上がっていく」
「そうしてもらう、上総には謙二と智、愛実、紅葉、奈央が行き」
　軍の指揮を執りというのだ。
「上野は良太、峰夫、耕平、当季、香織、桜子だ」
「そしてお前はだな」
「相模だ、越後の兵は藤原、駿河の兵は湯上に任せる」
　彼等に率いさせるというのだ。
「そうして攻める」
「全て決めているな」
「もうな、総大将は智と当季だ」
　それぞれの軍勢のというのだ。
「江戸には三万の兵を留守に置き」
「そしてだな」
「ここの領主太田に任せる」
　留守はというのだ。
「そして俺は六万の兵を率い」
「相模に向かうか」
「下総には六万、上野には五万だ」
　兵はそれだけだというのだ。
「いいな」
「そして我もだな」
「一万の兵とな」
「水軍をだな」
「率いてだ」
　そうしてというのだ。
「安房に向かえ」
「その様にな」
「その様にする、では攻めていく」
　そうした国々をと言ってだった。
　英雄は実際に兵を動かすことを告げた、越後と駿河にもそれが伝えられそちらからも兵が関東に入り。