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レーヴァティン

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第百九十四話 江戸の街と城その十

「寺や神社も多い街だな」
「これは結界ですね」
 陰陽師である良太が言ってきた。
「まさに」
「そうだな」
「はい、街を護る」
「江戸をな」
「そうしたものですね」
「この浮島の江戸もそうして守られているか」
「この街は今の東京もですが」 
 自分達が起きた世界の現代でもというのだ、良太は英雄に極めて真面目な顔になってそのうえで話した。
「霊的な結界を形成しています」
「それも幾重にもだな」
「これは都もですが」
「そこまでしてだな」
「国の心臓であるので」
「護っているな」
「はい」
 そうしているというのだ。
「その様にしています」
「そしてこの江戸もか」
「そうしていますね、やはり東国随一の街なので」
「そこまでしているか」
「若しです」
 それこそというのだ。
「幾重の結界がないとです」
「東国の心臓が護れないか」
「霊的に。ですから」
「それでだな」
「この浮島の江戸も幾重にも結界を置いているのでしょう」
「そういうことだな」
「四神相応の地でもあり」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「そうした備えもだな」
「しています、そしてこの世界では魔物がいますが」
「魔物が江戸に入ることも封じているか」
「おそらく。江戸の北東にはです」
 その場所にはというと。
「東照宮があるそうですし」
「日光にだな」
「権現という神が祀られています」
「徳川家康か」
「はい、あの人はこの世界では神なので」
「その神を祀ってか」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「北東即ち鬼門もです」
「守護してか」
「江戸に魔物もです」
「入らない様にしているか」
「その様です、人が多い場所に魔物は来ませんが」
 それでもというのだ。
「そうした結界も張ってです」
「そこからもだな」
「魔物が入らない様にしています」
「そうした役割もあるか」
「この世界の結界は」
 そうだというのだ。
「どうやら」
「その意味もあるか」
「その様です、そして」
「それでだな」
「この結界もです」
 寺や神社によって構成されるそれもというのだ。
「護っていきましょう」
「江戸の為にな」
「是非共」
「それがいいな、そう言えば俺達の世界では江戸そして東京は何かとある街だ」
「恐ろしいまでにですね」
 紅葉も応えた。
「確かに江戸時代からです」
「幕府が置かれ本格的に大きな街になってからな」
「火事に地震、台風に」
「空襲もあったしな」
「そして政変も」
「数百年の歴史の中でだ」
 江戸幕府開闢からのというのだ。
「実にだ」
「幾度も大きな災厄がありました」
「しかしだ」
「その都度蘇った街です」
「不死身かと思うまでにな」
「ありとあらゆる災厄に襲われることが」
 それがというのだ。 
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