魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~
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Saga22-G最終侵攻~Battle of the north. another side 1~
†††Sideヴィヴィオ†††
今日は週で1回訪れるトレーニング休みの日。今なお捕まってない最後の大隊のメンバー、キュンナさんとグレゴール、真正ベルカ融合騎のエーアストに狙われてるわたしは、わたしを預かってくれているフライハイト邸で大人しく過ごすべきなんだろうけど・・・。
――皆さん、せっかくの学院やトレーニングが休みなのですし、外出しても構いませんよ?――
――護衛は私とオットー、セイン姉様が請け負います――
――カリムとシスターシャッハから、今日1日ヴィヴィオ達に付いてるように言われてるし、どこでもお供するよ? 天気も良いし勿体ないじゃん?――
オットーとディードとセインがそう言ってくれたから、わたしとコロナとリオとアインハルトさんとイクスは、トレーニングウェアを新調するべく専門店にバスで向かってる途中。で、護衛のオットー達は、バスの後方から車で付いて来てくれてる。護衛だからと言って四六時中一緒だとわたし達が大変だろうからってことと、無関係なお客さんが乗る公共交通機関を襲うわけがないっていう理由からだ。
「なんか思っていた以上に物々しいね、教会本部への封鎖線」
「改修工事だっけ?」
「業者さんじゃなくて教会の人が立っているんだね」
今日1日だけ聖王教会本部に続く道路をすべて封鎖されるみたいなんだけど、道路を塞ぐ魔導バリケードの前に立ってるのは、本部内で何度も見かけたことのある神父さんだったりシスターさんだったりする。服装は神父服や修道服じゃなくて作業服だけど。格好を偽ってまで封鎖するなんて、ただの工事じゃないことはわたしでも判る。
「イクスさんは何か聞いてはいないのですか?」
「はい、特には。母様や父様からも伺っていません。ただ、近寄ってはいけないとだけ釘を刺されました」
そんな封鎖線を眺めながら、不思議だね~ってお喋り。次の話題は「フォルセティ、やっぱり来なかった」ってわたしがしょんぼりしながら零したことから始まった。
「フォルセティ、最近はわたし達の買い物に付き合わなくなった・・・」
「うん。中等部に入ってからだっけ」
「でも付き合ってくれなくなったのって、服の買い物の時だけだよ」
「買い物に行くって話をしたら、僕も付いていくよって言ってたけど、トレーニングウェアを新しく買いに行くって言った瞬間にいってらっしゃいだったもんね」
「・・・やっぱり、毎年の学院祭で女装させてたのがダメだったんじゃないかな・・・?」
コロナがポツリと零した言葉に、実行犯たるわたしとコロナとリオはだんまり。毎年ある学院祭の出し物には、そのクラスだからこその目玉っていうものが必要だ。すごい有名人なルシルさんやはやてさんの子どもで、ルシルさんと同じ美人ってことになれば女装が一番だって結論に毎度至っちゃうわけで・・・。
なのはママ達が学生だった頃のアルバム写真の中に、ルシルさんが何度か女装させられてるものがあったけど、今ならママ達の気持ちも理解できちゃうわけで。男の子を女の子の格好にさせるっていう、ドキドキ感と言いますか背徳感と言いますか。顔を赤くして嫌がってはいるけど受け入れてくれるフォルセティが可愛いんです、うん。
「「それですね」」
アインハルトさんとイクスが同時に頷いた。イクスも割とノリノリだったと思うんだけど・・・。とりあえず「今後はフォルセティの女装は禁止ということで」ってことにしよう。でもな~、クラスの女の子からの評判が良いんだよね、あと男の子からも。学院祭後には頭がバグるって悲嘆に暮れる子ばかりだったけど。
「あと、そうですね。フォルセティも男の子ですし、女の子の服の買い物に付いて行くのは少し抵抗があるんだと思いますよ。みんな可愛いですし♪」
そう言って微笑むイクス。アインハルトさんとイクスを除くわたしとコロナとリオは顔を見合わせて「えへへ~♪」と笑い合う。友達に可愛いって言われたことは素直に嬉しい。それと同時にフォルセティがちょっとでもわたしを意識してくれてるのかもって思えてだ。
わたし達(アインハルトさん除く)は13歳になったんだけど、成長期のおかげか身長も伸びてるし、服の上からでもハッキリ大きくなってきたって判る程度に胸も成長し始めてくれてる。大人モードは18歳のわたしを仮想した姿だから、あと5年。
(大人モード無しで、普通の成長で大人モードと同じ姿に必ずなって見せる!)
そんな人知れずに決意を固めていると、コロナが「護衛とか関係なくフォルセティと一緒に買い物行けないのは寂しいね」って儚げな笑みを見せた。フォルセティは基本的にわたし達と行動を一緒にしてくれる。それが嬉しくて、その厚意に甘えちゃってるのは判る。
フォルセティだって男友達との付き合いもあるはずなのに。でもだからこそ、わたし達が原因(フォルセティの女装を率先して言い出すのは他の子だけど、最終的に頼むのはわたし達)ということもあって、フォルセティがわたし達の服の買い物の時でも付いて来てくれるように安心させてあげないと。
「・・・ヒュギエイア。セインに通信を繋げてください」
イクスがルールー制作のデバイス・“ヒュギエイア”の待機モード、人差し指にはめた指輪にそう指示を出して手の平サイズのモニターを展開。他のお客さんの迷惑にならないように音量設定を最小一歩手前まで下げた。どうしてセインに通信を?なんて考えてると、『ほいほーい。どうしたの?』っセインが通信に出た。セインは護衛車の助手席に座っていて、運転手はディードだ。後部座席に居るはずのオットーは、前と後ろを隔てる壁の所為で見えない。
「少しお聞きしたいんですけど、護衛はセインとオットーとディードの3人でいいんでしょうか?」
『え? えー、うん、3人だけ』
「では、フォルセティは一緒ですか?」
『ん? ん-・・・っと、う、ううん、一緒じゃない』
(セイン・・・、うそが下手すぎ)
セインがチラリとほんの一瞬だけど後部座席を見て、しかも変に間を開けた。正直なセインが可愛いと思いながら、フォルセティが付いて来てくれてるって判って胸の内がポカポカする。イクスは「判りました。引き続きお願いします」って小さく頭を下げてから通信を切った。
「フォルセティさん、いますね」
「「「ですね~」」」
苦笑いしてるアインハルトさんにわたし達も苦笑いで答えた。でも、みんなはきっと同じことを思ってるはず。なんだかんだ言いながらフォルセティはわたし達のために付いて来てくれていて嬉しいって。まぁ今後はこんな一喜一憂をしないで済むように、フォルセティの女装は禁止することを仲間内だけで決定。なら、今年の学院祭の出し物はどうしようか?になってくる。
「学院祭ですか・・・。私はもう参加できないのですよね・・・」
「そう、ですね。アインハルトさん、卒業しちゃいましたし」
「高等部への進学をやめ、格闘技一本に縛りましたね」
イクスの言うようにアインハルトさんは義務過程である中等部を卒業すると、格闘技選手に専念するために高等部への進学をしなかった。元よりザンクト・ヒルデ魔法学院は初等部と中等部は校舎が隣り合ってるけど、高等部から上は少し離れた場所にあるから気軽には逢えなくて、ちょっぴり寂しいのは確かで。ナカジマジムに行けば逢えるとは言ってもね・・・。
「ヴィヴィオさん達はどうするんですか? 進学か選手か」
「えっと・・・」
「私はまだその辺りは考えてないです。でも、たぶん進学することになるかと」
「あたしは選手の方に進もうっかな~って。まぁ家がどういうか判らないけど」
わたしが答えを言いよどんでると、コロナとリオがササッと答えた。コロナは進学予定で、リオは卒業予定。わたしがどっちを選んでも、2人の内どちらかとは一緒に居られる時間がかなり減るということに。そしてイクスは「私は医学科に進学ですね。将来は医者になりたいので」って進学することと、以前から語ってくれていた夢を改めて宣言。
(イクスとも一緒に居られる時間が少なくなっちゃうんだ・・・)
友達の夢だからもちろん応援するけど、寂しさだけはどうしようもない。しょんぼりしてるわたしに、アインハルトさんは「大丈夫です。ジムでなら逢えますし、たとえ離れていても心はずっと一緒です」と微笑みかけてくれました。コロナとリオとイクスもわたしを見て、アインハルトさんに同意することを示す笑顔を浮かべた。
「はいっ!」
みんなで今後も揺らぐことのない絆、友情に微笑み合ってるとコロナが「進路と言えば、リヴィちゃん、もったいなかったよね・・・」って言って、話題がリヴィの選手引退に変わった。アルピーノ姉妹の妹リヴィは、管理局嘱託魔導師とホテルアルピーノ従業員に専念するため、わたし達が初めて参加したインターミドルチャンピオンシップに1回出場しただけで辞めた。ルールーは今も選手登録はしてるけど、ホテル経営を優先してるから大会にはあんまり出てない。
「リヴィ、都市本選4位まで行ったのにね」
「あと1歩でミッド代表3人のうちの1人に入れたんだけど」
「ヴィクターさんは強かったよね。魔力を防御力に特化させての打ち合いでリヴィのポイントと魔力を削り切ったんだし」
初参加で都市本選3位っていうことでリヴィは有名になったんだけど、リヴィはそのまま選手っていう路を自らの手で終わらせた。リヴィ曰く、面白かったけど家のことがやっぱ大事だし、とのことだ。それからはルールーのセコンドとして、ホテルアルピーノの宣伝と称して大会に参加してる。
「非公式ではありますが、結局わたしはリヴィさんに一勝することが叶いませんでした」
「DSAA格闘競技・U15では無敗にして全試合をKO勝利で収めたアインハルトでも、リヴィには勝つことは難しかったですね」
アインハルトさんは15歳以下でのU15大会においては一敗もすることなく勝ち続けて、今は15歳以上19歳以下のU19を舞台に闘い続けてる。そんなアインハルトさんは合宿でリヴィとDSAA試合ルールを用いての試合を何度かやってるけど一勝も出来てない。ちなみにリヴィはヴィクターさんとも非公式だけど試合して、3戦3勝と全勝を収めてる。だからリヴィを知る先輩たちは口をそろえて勿体ないって言ってる。
「合宿に行けば喜んで相手をしてくれるし楽しいって言ってくれるから、リヴィもきっと機会があれば大会に出ると思うんだけど・・・」
「だよね~。ルールーとリヴィとメガーヌさんだけで切り盛りしてるんだし」
「アルファさん達がいてくれたら・・・」
わたしとリオとコロナは、もう二度と逢えない“スキュラ”姉妹のことを思い返した。ルシルさんが合宿に行けない時でもアルファ達“スキュラ”を召喚してくれて、その・・・雑用と言うかお手伝いさんとして、ホテルアルピーノの仕事を手伝わせてた。その間はルールーもリヴィも自由に練習できてたから。
「あの、フォルセティさんは、ルシルさんのエインヘリヤルを引き継いではいないのですよね・・・?」
「はい。エインヘリヤルを始めとして複製のすべてを継承して生まれるセインテストの対“エグリゴリ”用クローンは、そのクローンを生み出してるらしい専用施設からで、なおかつ先代が亡くなっていないとダメなようなんです。フォルセティは、オーディンっていう過去のクローンから生み出されたクローンなので継承していません」
シャルさんから聞いたことをそのまま伝える。自分で言ってて気分が悪くなった。役目に殉じて亡くなったルシルさんには本当に申し訳ないけど、フォルセティが対“エグリゴリ”用のクローンでなくて良かったって思う。もしフォルセティが知らないどこかで独り戦って死んじゃうなんてことになったら、わたしははやてさん達のように前を向いて立ち直ることなんて出来ないと思う。
「・・・そうですか」
重い空気になっちゃって、次に明るい話題がないかをぐるぐる考えてると、「あ、着きましたよ!」ってイクスが努めて明るい声色で窓の外を指差した。変えるにはこのタイミングしかないってことで「良い服あるかな!」とか「あるある!」とか元気よく声を出す。
そして停車したバスから降りて、オットー達の乗る車が駐車場に入って空いてる場所を探すために一度わたし達の視界から消えたのを見送り、いざ店の入り口に向かって歩き出したその時・・・
「「「え・・・!?」」」
それは起きた。わたし達の側からコロナとリオが突然消えた。そう、これは「結界・・・!」だ。アインハルトさんとイクスで背中合わせで周囲を警戒してるわたし達に「防護服着用!」って大声で呼びかけながら駆け寄って来てくれたのは、ウィングカラーシャツ、ラペルドベスト、スラックス、フード付ロングコート、そして首にクラバットを巻き、腰にマガジンホルダーの付いたベルトを2つ巻いたスタイルの防護服に変身し終えていた「フォルセティ!」だった。
「やっぱり付いて来てくれ――」
「ヴィヴィオ、アインハルトさんとイクスも今は話はあと! きっと狙いはヴィヴィオだから、すぐに臨戦態勢に入ろう!」
「あ、う、うん!」
「「はいっ!」」
「クリス!」
「ティオ!」
「ヒュギエイア!」
「「「セットアップ!」」
フォルセティに言われた通りにすぐに大人モード+防護服に変身。わたしとアインハルトさんは前から変わらないデザイン。イクスは、シャマル先生のようなナースキャップに、詰襟ブラウスにショートジャケット、フィッシュテールスカートにベールのように半透明なオーバースカートっていうデザインの防護服を着用。起動した“ヒュギエイア”は、両手の人差し指と中指と薬指に指輪として6個ある。
「どうすればいい?」
変身を終えたわたしはフォルセティに尋ねる。フォルセティははやてさん達からよく荒事の対処法などを教わってるらしくて、考え方がわたし達のような競技者じゃなくてはやてさんたち局員に近い。
「とりあえず外部との連絡・・・は、今してる。・・・この結界はおそらく閉じ込めた相手を逃がさないようにするためのものだと思う。コロナとリオ、オットー達が外に弾かれて、僕とヴィヴィオとイクスとアインハルトさんだけが閉じ込められた」
「なるほど。古代ベルカに関係している私たちが捕らわれたのですから・・・」
「結界を張ったのはキュンナとグレゴールと融合騎である、と」
「じゃあ、わたしの所為なんだね。ごめんなさい」
特に狙われてるのは聖王オリヴィエのクローンのわたしだから、状況的にフォルセティ達は巻き込まれた形になっちゃうわけで。だから申し訳なくて謝ったら、「いいえ。悪いのは向こうです」って、イクスがわたしの両頬に手を添えて頭を優しく上げてくれた。
「元は私も狙われていた身。いえ今なお狙われているんでしょう。だからヴィヴィオだけの責任ではないですし、いつまで経ってもベルカは、レーベンヴェルトが滅んだという現実を受け入れられない彼女たちが悪いんです」
「そうですよ、ヴィヴィオさん。ですからそんな悲しい顔をしないでください」
「うん、うん。いい加減ヴィヴィオを窮屈な思いから解放したいし、僕たちで打ち負かそう。そうすればキュンナ達も思い知るよ。ヴィヴィオを狙ったところで自分たちの望みは叶わないって・・・くそ、ダメか、結界外と繋がらない。通信妨害もされてるみたいだ」
フォルセティが悔し気に唸った後、「目上の人には敬称を付けるものだと思いますが?」って、拡声魔法を使ってるのか大きな声でそう言われた。みんなで辺りを警戒してると、「上!」とアインハルトさんが声を上げました。フォルセティがわたし達を庇うように前に躍り出て、両手に持つ拳銃型デバイス・“エマナティオ”の銃口を空へと向けた。
「すぐに撃たないのは賢明ね、八神フォルセティ」
「わーっはっはっは! 小生意気なルシリオンが死んだと思えば、同じ顔をしたフォルセティがまた我らの前に立ちはだかりおる。が、しかし・・・。魔力も気迫もまったく足りておらん。消え失せよ、八神フォルセティ!」
「っ!!」
「「ぅ・・・!!?」」
頭がツルツルとした大きな男性、騎士グレゴールがフォルセティを見下ろす。睨まれてるのはフォルセティなのに、まるでわたしが襲われて、その大きな手で頭を握り潰されたかのような幻視を見た。はっ、はっ、はっと呼吸が荒く、そして早くなる。騎士グレゴールから目が離せない。体も強張って動かせない。
「ヴィヴィオ、アインハルト! 気をしっかり持ってください! 大丈夫です、あなた達なら!」
≪Confront bravely≫
「「っ!」」
バシッと背中を思いっきりイクスに叩かれて、茜色の魔力がわたしとアインハルトさんを包み込んだ。色もそうだけど、優しい暖かさに包まれてる感じがして、恐怖でいっぱいになっていた心と体が楽になった。
「ほう。小童と思いきや、フォルセティ、我の殺気をもろに受けて怯みもしないとはな。評価を改める必要がありそうだな」
試合で受けるのは気迫だから、ビリビリはするけど楽しくなっちゃうものだ。生まれて初めて受けた殺気は、当然だけど頭の中を恐怖だけにするものだった。流れ弾を受けたようなわたしでも怯んでどうすることも出来なかったのに、殺気を向けられたのはフォルセティは「そうだね。改めておいてよ。いつかは父さんを超える男ってさ」って軽口を叩けるほど余裕だ。
「はっはっは! 判っているぞ。勇ましいが、貴様のそれはそうプログラムされているからだろう? 聖王オリヴィエがクローン、プリンツェッスィン・ヴィヴィオを護るためだけに用意された騎士、プフェルトナー・フォルセティ! 聖王のゆりかごを止めるためにやって来た侵入者を迎撃するため、殺気などに耐性があって然るべき!」
そう言って大笑いするグレゴールにフォルセティは「違うよ。そんな耐性、刷り込まれてるわけないだろ」って言ってから、わたしの方をチラッと見た。そしてもう一度グレゴールの方を見て、2挺の“エマナティオ”のカートリッジをロード。
「ほう? では、我の殺意を受けても平気な理由はなんだ?」
「恥ずかしい話だけど、あんたの殺気に僕は怯えてるよ、ちゃんとね。だけどさ、それでも退けないんだよ。・・・そうプログラムされているからなんかじゃない! 僕の、僕が育んできた感情で立っているんだ!」
「フォルセティ・・・?」
「好きな女の子のためなら! その子が苦しんでいるなら! 僕はどんな困難にでも立ち向かう!」
頭の中が真っ白になった、思考がピタッと止まった。フォルセティは何を言ってくれたんだろう。そんな一瞬の思考停止の果て、フォルセティがわたしのことをハッキリと好きだって言ってくれたって理解して、「~~~~っ!!」顔どころか全身がカッと熱くなった。
「まあ♪」
「ふぉ、フォルセティさん、今それどころでは・・・!」
わたし達の後ろに居るイクスは嬉しそうな声を出して、隣に居るアインハルトさんは顔を赤くして狼狽えてる。でも、なんだろう、今のわたしなら、教会騎士団で一時はゼンゼ・パラディンにまでなったキュンナさんや、覇王クラウスを討ったグレゴールと戦っても勝ちそうな気がする。
「フォルセティ! わたしも大好き!」
ハイになってる今だからこそって考えて、すぐに告白返しをした。さらに顔が熱くなるのを自覚してると、フォルセティは「うん、知ってる!」って、満面の笑みを浮かべた。
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