ヘタリア大帝国
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TURN48 騎士提督参入その三
「最早」
「そうね。けれどね」
「祖国殿に妹殿がですね」
「いてくれるわ。何があってもね」
彼等は決してセーラ達の傍を離れないというのだ。
「だから絶望しないで。あの人達がいてくれるから」
「私は一人ではないのですね」
「私もいるしマリーちゃんもいるわ」
家族だ。セーラには温かい家族もいるのだ。
「ロレンス提督とモンゴメリー提督もね」
「そうですね。私には」
「セーラちゃんって放っておけないのよ」
エルザは今度はセーラ自身のことを話した。
「生真面目で努力家で裏表がなくて」
「私は女王ですから」
だからだと言うセーラだった。
「女王として相応しくあらねば」
「そう言って子供の頃から頑張ってきたわね」
「人は努力をしなくては成長できません」
とにかく生粋の努力家なのだ。それがセーラなのだ。
「ですから絶対に」
「努力は怠れない。口癖ね」
「そしてその努力もです」
「結果を出してこそっていうのね」
「はい、そうです」
やはり生真面目に言うセーラだった。
「ですから私は」
「本当に頑張り屋さんね。そのセーラちゃんだからね」
だからだと言うエルザだった。
「祖国さんも皆もね」
「助けてくれるのですか」
「セーラちゃんの人徳よ」
こうまで言うエルザだった。
「皆助けないではいられないのよ」
「有り難いことです」
セーラは母の言葉に穏やかな顔になる。港のモニターには銀河が映っている。
その銀河の下においてセーラはは微笑んで言うのだ。
「非常に」
「そうでしょ。だからね」
「だからとは?」
「少しは。肩の力を抜いてね」
ここでこうも言うエルザだった。
「頑張ってね」
「肩の力を抜いて、ですか」
「セーラちゃんは息抜きは下手だから」
つい頑張り過ぎてしまうというのだ。セーラは。
「だから。少し位はね」
「休むことも必要だと」
「そういうこと。私達もいるから」
「だからですか」
「休む時は休んで。任せられるお仕事はね」
「お母様達が」
「引き受けるから。安心してね」
娘を気遣っての言葉だった。顔は綻んでいるがそうした顔だった。
「今はね」
「有り難うございます。何から何まで」
「だから他人行儀はなしよ。親娘じゃない」
しっかり者の娘に楽天的な母である。
「背中は母さんが守ってくれるから」
「では私は」
「そう。前を向いていてね、周りは皆が守るから」
「そうしてくれるのですね」
「その通りよ。じゃあ王宮に戻ったらね」
「すぐに議会に出席して」
「五月蝿い貴族達は任せてね」
エイリスの頭痛の種になっている。貴族院の貴族達は自分達の特権を守ることだけに執着している利己的な者達となっているのだ。
その特権を守る為に女王であるセーラへの反発を隠そうともしない。そしてセーラは生真面目な性格故にその彼等に正面から話しているのだ。
しかしこうした連中は何かと難癖を言うものだ。エルザはその彼等のことは自分に任せろというのである。
「私はああいう連中は得意だから」
「そういえばお母様は昔から」
「議会対策には自信があるわ」
実際にそうだと言うエルザだった。
「だからそっちは任せてね」
「では」
「ええ、そういうことでね」
議会の話もした。そうしてだった。
セーラはエルザと共に王宮に戻った。そして彼女を愛する者達の助けを借りて未曾有の国難に向かうのだった。
太平洋軍に解放されたアラビアも独立することになった。その中で。
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