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ヘタリア大帝国

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TURN48 騎士提督参入その一

                   TURN48  騎士提督参入
 アラビアまで失ったと聞いたセーラは落胆の色を隠せなかった。本国に戻って来たイギリスからそのことを聞いた。
 玉座にいてそこに座りながらこう言ったのだった。
「ネルソンも多くの将兵達もですね」
「済まない、本当にな」
「いえ、祖国殿が謝罪されることはありません」
 それはいいというのだ。
「勝敗は戦争の常、それにです」
「それにか」
「敗戦の研究はすべきですが悔やんでそれで済むことではありません」 
 だからだというのだ。
「謝罪されることはありません」
「そう言ってくれるか」
「事実です。ですから」
 セーラもまたイギリスと生き残った将兵達を労わって言う。
「今はです」
「これからのことか」
「我が国は今スエズにおいてドクツ軍の猛攻を受けています」
「スエズか、あそこもな」
 イギリスもスエズの話になり難しい顔になる。
「ちょっとな」
「危うい状況ですね」
「ドクツ軍も強いぜ」
 イギリスは神妙な顔でセーラにこのことを告げる。
「モンゴメリーさんも苦戦してるな」
「そうですね。ですから」
「今度はスエズに行って来る」
 イギリスは自分から申し出た。
「モンゴメリーさんと一緒に戦って来るな」
「祖国殿、しかしそれは」
 そのイギリスにロレンスが心配する顔で言ってきた。
「連戦で。お身体に無理が」
「安心しろよ。体力には自信があるんだよ」
 イギリスはあえて強気の笑みを浮かべてロレンスに返した。
「だから任せてくれよ」
「そう言われますか」
「ロレンスさんはロレンスさんでな」
 イギリスはその強気に見せている顔でロレンスに言葉を返す。
「この本国と女王さんを頼むな」
「お任せ下さい。このロレンス一命にかけても」 
 ロレンスはエイリスの敬礼をしてからイギリスに応える。
「本国と女王陛下を共に」
「頼むな」
「そのお言葉謹んでお受けします」
 二人は誓い合った。そしてだった。
 セーラは居並ぶ面々、自身の祖国達も見回してこう言った。
「スエズを失えばそこからアフリカでの抑えが効かなくなります」
「はい、スエズこそは我が国のアフリカの要です」
 イギリス妹が言う。このことはまさにその通りだった。だから彼女も眼鏡の奥の瞳を光らせて言うのだった。
「あの地を失えば」
「我が国はアフリカの植民地も失いかねません」
 そうなることは容易に想像できた。
「ですから」
「何としてもですね」
「はい、スエズは死守しなければなりません」
 全てはエイリスの為だった。
「ですからここは」
「俺が行くからな」
「祖国殿とです」
 彼だけではなくとだ。セーラは強い声で言った。
 そのうえでイギリス妹も見た。そのうえで彼女にも告げた。
「妹殿にもお願いしたいのですが」
「兄さんと共にスエズにですね」
「はい、お願いできますか」
 こうイギリス妹に頼む。
「ここは」
「わかりました。では」
 イギリス妹はすぐに答える。こうしてだった。
 彼女もスエズに行くことになった。セーラはこれ以上は何も失うまいと固く決意していた。
 その女王に今度はマリーが言ってきた。
「まずはスエズ防衛だね」
「はい、それからです」
「戦局が好転したら北アフリカ?」
「そしてイタリンに攻め込みます」
 今はエイリスにとって夢の様な話だがセーラはあえて言った。 
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