戦国異伝供書
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第百二十六話 推挙その八
「織田殿がか」
「はい、出陣の準備に入られたとか」
「九州に対して」
「大友殿の要請を受けて」
「そのうえで」
家臣達が口々に述べた。
「その数二十万を超えるとか」
「それも優に」
「そして天下の名立たる諸将が出陣され」
「鉄砲も五万を超え」
「大砲もあるとか
「そこまでか、ならばじゃ」
義久はここまで聞いて言った。
「その戦はな」
「すぐにですな」
「岩屋城を攻め」
「あの城を攻め落とし」
「そしてですな」
「大友殿に迫ってもな」
九州探題の職を譲る様にだ。
「もう織田殿が出陣せんとするならな」
「ですな、それならです」
「もう迫っても聞きませぬ」
「それならば」
「あの城を攻め落として」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「一気に大宰府まで行き」
「そしてですな」
「そこで九州探題の職に就く」
「そうしますな」
「その様にしますな」
「無理にでも就けばな」
九州探題の職にというのだ。
「織田殿も認めざるを得ぬ」
「天下人であられるあの方も」
「そうなりますな」
「だからですな」
「ここは」
「出陣すればな」
その時はというのだ。
「すぐに岩屋城に迫り」
「あの城までの道は出来ています」
「阻む城も国人もありませぬ」
「ならですな」
「それならですな」
「うむ、それでじゃ」
岩屋城に迫ってというのだ。
「そしてじゃ」
「そのうえで、ですな」
「すぐに攻め落とし」
「そしてですな」
「そこから他の城も攻め落とし」
そうしていってというのだ。
「そのうえでな」
「大宰府ですな」
「あちらに入り」
「そしてですな」
「そこで、ですな」
「九州探題の職に就く儀を行う」
そうすることをだ、義久は家臣達に話した。
「よいな」
「はい、それでは」
「これよりですな」
「出陣して」
「そのうえで」
「出陣も急ぐ」
その様にするというのだ。
「間近であるがな」
「ここで、ですな」
「より急ぎ」
「そうしてですな」
「そのうえで」
「進軍も急ぎ」
そうしてというのだ。
「岩屋城に向かうぞ」
「わかりました」
「それではです」
「すぐにあの城に向かいましょう」
「これより」
「織田殿の動きは早い」
義久は信長のこのことも知っていた、それで言うのだった。
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