戦国異伝供書
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第百二十六話 推挙その七
「決してです」
「降ったり城を降ることはな」
「ないと思いますが」
「わしもそう思う」
義久自身もというのだ。
「それはな」
「だからですな」
「戦になる」
このことは間違いないというのだ。
「必ずな、しかしな」
「それでもですな」
「戦を避けられるならな」
それならというのだ。
「まずないにしても」
「言うことですな」
「そうじゃ」
だからだというのだ。
「あの城を攻める時もな」
「使者を送り」
「その様に言う、そしてこの戦は」
岩屋城のそれはだ。
「わしが思うにな」
「激しいですな」
「そうした戦になりますな」
「そうなりますな」
「名将の下では並の兵も猛者になる」
そうなるというのだ。
「そして名将はそのままじゃ」
「左様ですな」
「だからですな」
「激しい戦になりますな」
「そうなる、だからな」
それでというのだ。
「覚悟してじゃ」
「戦う」
「激しい戦になる」
「そのことを覚悟して」
「普通七百もおらぬ城を五万で攻めれば」
それだけの大軍でというのだ。
「何でもない」
「そもそも普通は降ります」
「それだけの兵の差なら」
「それなら」
「そうなる、しかしな」
それでもというのだ。
「それでも戦うとならば」
「皆死ぬ覚悟」
「名将が並の兵を猛者にして」
「そして名将は名将のままなので」
「だからじゃ」
それでというのだ。
「もうじゃ」
「激しい戦になる」
「まさに敵兵を全て倒すまで」
「そうした戦になりますな」
「だからわしも出てじゃ」
出陣してというのだ。
「お主達もじゃ」
「出る」
「そうしますな」
「我等全員が」
「それでじゃ」
そうしてというのだ。
「戦うぞ」
「はっ、それでは」
「筑後はもう手に入りました」
「それならば」
「あの城に向かう」
岩屋城にとだ、こう言ってだった。
義久は出陣の準備をさらに進めさせていった、だが。
その義久のところに報が届いた、それは出陣がいよいよ間近という時だった。その報はどういったものかというと。
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