ドリトル先生と不思議な蛸
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第三幕その九
「泳いだり釣りをしたりクルージングを楽しんでもいいけれど」
「そうそう、こうした自然豊かな浅瀬を見てもいいね」
チーチーはポリネシアの言葉に頷きました。
「そうだね」
「色々な生きものがいて」
それでとです、ホワイティは目を細めさせています。動物の皆はそれぞれ岩場の海から出ている部分を動き回って海を見ています。
「賑やかだね」
「どの生きものもカラフルでね」
「宝石みたいよ」
チープサイドの家族は泳いでいるお魚や貝達を見ています。
「珊瑚はないけれど」
「それでも宝石みたいだよ」
「イソギンチャクとかヒトデとかいたら」
ダブダブは彼等を見ています。
「絵になるわね」
「そうそう、子供が描く絵だね」
老馬はダブダブに応えました。
「まさにね」
「海老がいたよ」
トートーはこの生きものを岩と岩の間に見付けました。
「本当に色々な生きものがいるね」
「こちらには蟹がいたよ」
ジップも見付けました。
「横にサササ、と動いてるよ」
「何かここだけで水族館だね」
「そこにいる気分になるよ」
オシツオサレツもその世界を見ています。
「実際に水族館にいる生きものも多いし」
「絵になるね」
「ヒトデとかイソギンチャクとかは食べられないみたいだけれど」
食いしん坊のガブガブはここでも食べることからでした。
「見ているだけでいいね」
「そう、だからね」
それでと言う先生でした。
「僕も楽しく調べていたよ」
「それでレポートにも書くのね」
「この浅瀬のことを」
「赤くない蛸も他の危険な生きものもいなくて」
「それで自然豊か」
「そう書くのね」
「そう書くよ、ただヒトデは魚介類を食べるから」
それでというのです。
「見ていて楽しいばかりじゃないけれどね」
「増え過ぎると大変なのよね」
「養殖しているものを食べられたりするから」
「そうなんだよね」
「だから増え過ぎたら駆除する必要もあるわね」
「この時注意が必要だよ」
ヒトデを駆除する時はというのです。
「乾燥させたり焼かないとね」
「駄目だよね」
「ヒトデは切っても死なないから」
「二つに切ったら切られた部分が元に戻るからね」
「それで一つが二つになるからね」
「駆除するには切ったら駄目だね」
「それは駆除になるどころか」
数を減らして魚介類が食べられない様にするどころかというのです。
「かえってだよ」
「数が増えてね」
「その分魚介類が食べられるね」
「そうなってしまうね」
「ましてこれがオニヒトデだとね」
先生は今度はこのヒトデのお話をしました。
「余計に悪いよ」
「オニヒトデって確かね」
「身体が海胆みたいに全身トゲで覆われているんだよね」
「それでそのトゲに毒まであって」
「珊瑚を食べるから」
「増えたらとんでもないことになるね」
「天敵は法螺貝でね」
先生はこのことも皆に言いました。
「それで人間が駆除する時はね」
「他のヒトデと同じだね」
「絶対に切ったら駄目で」
「乾燥させるか焼く」
「どっちかでないと」
「一番確実な方法は乾燥させてから焼くことだよ」
この方法だというのです。
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