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ドリトル先生と不思議な蛸

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第三幕その八

「どうやら」
「そうだね」
「どういった色の蛸か知らないけれど」
「赤くない蛸はいないよ」
「赤い蛸はいたけれど」
「他の蛸はね」
「そうだね、この辺りにいないなら」
 それならというのです。
「ここは大丈夫だよ」
「危ない蛸っていうし」
「その蛸がいないならだね」
「この辺りは安心ね」
「これといって気にすることないんだ」
「ガンガゼやイモガイもいないし」
 こうした生きものの名前も出しました。
「大丈夫だね」
「ああ、ガンガゼって海胆だよね」
「海胆の中でも針が特に鋭くて」
「手とか出したらそっちに針を伸ばしてくるし」
「物凄く危ないんだよね」
「毒を持っているし」
「そうだよ、海胆はあまり迂闊に触れないけれど」 
 トゲが一杯あってです。
「ガンガゼは特に危ないからね」
「迂闊に触ったらね」
「とんでもないことになるよね」
「しかもその針がボロボロ落ちて取れにくいし」
「刺されたら大変だね」
「そう、そしてイモガイはね」
 今度はこの貝のお話でした。
「毒針があって刺してくるからね」
「危ないんだよね」
「こっちも迂闊に持ったら駄目ね」
「しかも猛毒だから」
「命に関わるから」
「気をつけないと駄目だよ」
 絶対にというのです。
「奇麗な貝殻の種類もいるから余計にね」
「迂闊に持ったらね」
「本当に危ないわね」
「貝といっても色々だし」
「気をつけないとね」
「そのイモガイもいないし」
 それにというのです。
「ウツボとかもいないしね」
「ウツボは毒ないんだったね」
「食べる時たまにあったりするって聞いたけれど」
「それでもね」
「噛まれる分には大丈夫だったね」
「そう、噛まれる分には大丈夫だけれど」
 毒のことについてはです。
「それでもね」
「物凄く危ないんだよね」
「ウツボの歯は鋭いから」
「指なんか簡単に食い千切られるから」
「いたら気をつけないとね」
「そうなんだ、だからね」
 そうしたことがあるからだというのです。
「ウツボもいないからね」
「そのことも安心していいね」
「この浅瀬は安全だね」
「岩場が多くて色々なお魚がいるけれど」
「それでもね」
「ここは安全だよ」
 先生は皆に笑顔で答えました。
「そして自然も豊かだね」
「色々なお魚や貝がいてね」
「それにイソギンチャクやヒトデもいて」
「凄くいい場所だと思うわ」
「観ていると」
「僕も思うよ、ここはいい場所だよ」
 この浅瀬はというのです。
「本当にね」
「こうした海もいいわね」
 ポリネシアは言いました。 
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