ドサド巫女
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第三章
「それでよいな」
「わかった、ではな」
「今日私はアルバイトがあるぞ」
「俺は今探している」
そのアルバイトをというのだ。
「実はな」
「つまり暇じゃな」
「そうだ」
「なら丁度いい、今私がアルバイトをしている神社はアルバイト募集じゃ」
「巫女さんだけじゃないのか」
「男の働き手も必要じゃ」
それでというのだ。
「アルバイトの申し込みを兼ねてじゃ」
「お前を見ればいいか」
「そして採用されるとな」
同じ場所で働く様になればというのだ。
「私をもっと見るのじゃ」
「そうすればお前のことはわかるか」
「自分でも嫌われはないと思っておる」
実際に愛が嫌われていないことは確かだ、大学でも友達が多いし誰とも良好な関係を築いている。三日月とだけではないのだ。
「それがどうしてかな」
「この目でじっくり見てか」
「わかるのじゃ」
「そうさせてもらう」
三日月は愛の言葉に頷いた、そしてだった。
愛と共に神社に行ってアルバイトの申し込みもしてだった。
無事に採用されたので愛を大学だけでなく神社でも見る様にした、すると確かに愛は口が悪く意地悪もするが。
その意地悪は実害のないものだった、いつも相手が怒らないし迷惑をしないそんな位のものであり。
口は悪くても相手を傷付けるまでではない、そしてだった。
人が困っているとだ。
あれこれ言いつつも笑顔で助ける、仕事は自分からせっせと働くし他人のそれも手伝う。そして神社に来る子供達ともだ。
仲良く遊ぶ、そこまで見てだった。
三日月は神社のアルバイトの休憩時間に愛に一緒に茶を飲みながら言った。
「ある程度だが」
「どうしたのじゃ」
「お前が嫌われていない理由がわかった」
このことを言うのだった。
「それがな」
「おお、わかったか」
「お前は確かにトゲのある言葉を言って意地悪もする」
そうした人間であることは確かだというのだ。
「しかしな」
「それでもじゃな」
「それは口だけで他愛のない悪戯でだ」
口の悪さも意地悪もというのだ。
「人が困っていると助けて面倒見もいい」
「だからじゃな」
「しかも自分から働くからな」
それでというのだ。
「嫌われていない、公平だし子供にもな」
彼等にもというのだ。
「優しいしな」
「嫌われておらんのじゃな」
「むしろ好かれている」
嫌われているどころかというのだ。
「そうだな」
「いいことじゃな」
「言うならドサドなのは表面だけだ」
それだけのことだというのだ。
「その実いい奴じゃ」
「困っている人は見捨てるとじゃ」
愛はあらたに言った。
「人としてどうかじゃ」
「そう考えてか」
「助けさせてもらう様にな」
「考えていてか」
「そうしているのじゃ」
こう三日月に話した。
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