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愚か者達は反省なぞしない

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第四章

「あの奥さんインスタ閉鎖したわ」
「自業自得だな」
「流石に個人情報はわからなかったみたいだけれど」
「知り合いも書いていただろ」
「それでも誰もばらさなかったみたいよ」
「それはよかったな、しかし夫婦揃って本当に馬鹿だな」
 洋介はまた呆れた、今度はこのことを察して。
「親戚中から縁切りされてもわからないんだな」
「だから本当に馬鹿な人達はよ」
「わからないんだな」
「そうよ」
 そうなるというのだ。
「自分達が何をしたかね」
「わかっていないからな」
「馬鹿も馬鹿でね」
「本物の馬鹿よ」
 そうなるというのだ。
「あの人達は」
「そうなんだな」
「そう、ただね」
「ただ?」
「あの人達またやるのは間違いないわね」
「ああ、ペットは飼わなくてもか」
「そう、同じことをするっていうのは」
 それはどうしてかというと。
「次の子が生まれたら」
「その時はか」
「今の子供が酷いことになるわね」
「絶対にそうなるだろうな」
 息子も言った。
「本当に」
「その時どうなるかね」
「育児放棄も最低だしな」
「飼育放棄もね。それでね」 
 母は息子にさらに言った。
「お父さん今お風呂だから」
「ああ、あがったらか」
「あんたが先に入りなさい」
「その後で飯か」
「そうしなさいね」
「それじゃあねえ」
「ふわり、いい?」 
 母の由里子はここまで話してからふわりを呼んだ。
「夜の遊ぶ時間よ」
「ワン」
 ふわりは母の言葉を聞いてだった。
 自分のケージから出た、そうして母のところに来た。すると母は彼女におもちゃを与えて遊ばせた。息子はそんな彼女を見て母に言った。
「言ったら来る、そして帰りなさいっていったら帰るな」
「賢くていい娘でしょ」
「そんな娘の価値がわからないで捨てるとか」
「その時点で馬鹿ね」
「本当にそうだよな」
 息子はこう言った、そしてだった。
 父が風呂から出て来るまでふわりと遊んだ。次第に家族を信頼して馴染んできている彼女を見て視線と笑顔になった。


愚か者達は反省なぞしない   完


                   2021・2・26 
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