愚か者達は反省なぞしない
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第三章
洋介は家に帰ると母にこの話をした、すると母は。
眉を曇らせてそうして息子に話した。
「実はね」
「どうしたんだよ」
「奥さんインスタグラムやってたけれど」
「そうだったんだな」
「閉鎖したわよ」
息子にこのことを話した。
「昨日ね」
「まさかと思うけれどな」
「わかるでしょ、ずっとふわりの画像載せていたのをね」
「載せなくなってか」
「赤ちゃんばかり載せる様になって」
自分のインスタグラムにというのだ。
「観ていた人があの娘どうなったかってね」
「ふわりのこと聞いたんだな」
「インスタグラムでね、そうしたら奥さん答えたけれど」
「朝から晩まで鳴いて五月蠅くて赤ちゃんが参るからか」
「自分もね、そう答えて」
そしてというのだ。
「保健所に捨てたってね」
「質問に正直に答えたんだな」
「そうしたら皆怒って」
「炎上か」
「もう批判の書き込みが殺到して」
そしてというのだ。
「自分の娘にそうするのとか最後まで育てろとか犬が鳴くのにも理由があるとか飼育放棄していたのだろうとかね」
「全部正論だな」
「そう、そして母親になったばかりで命を粗末にするのは最低っても言われて」
「もうどうにもならなくなってか」
「何百も批判する書き込みがあって5ちゃんあるわね」
「あそこでもか」
「どうも晒した人がいて」
そしてというのだ。
「何か既婚女性板っていうところがあって」
「ああ、あそこあのサイトでも一番怖いらしいな」
「犬猫板っていたところでもそうなってね」
「余計に騒ぎになったんだな」
「そこからも怒った人が来て」
所謂突撃が行われたのだ。
「もうどうにもならなくなって」
「あの奥さんインスタ辞めたんだな」
「そうしたの」
「成程な、けれどな」
洋介はここまで聞いて言った。
「そんなこと言うか?」
「捨てたなんてね」
「それも邪魔だからって感じでな」
「正直にね」
「馬鹿正直だな、そんなの書いたらな」
それこそとだ、洋介は呆れて言った。
「誰だって怒るさ」
「それまで可愛がっていたのに」
「インスタにも載せてたのにな」
「お姫様みたいにね、それが急に載せなくなってよ」
「ポイだとな」
「それでもう皆人間性わかるか」
そう答えた時点でというのだ。
「それでよ」
「皆怒って掻き込んで」
「今はね」
まさにというのだ。
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