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ドリトル先生と不思議な蛸

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第二幕その十一

「そちらでも食べられるんだよ」
「ああ、そうだったね」
「新幹線でもあったわね」
「駅弁以外にもね」
「そんなのがあったね」
「こちらはこちらでね」
 食堂車両もというのです。
「いいね」
「言われてみるとそうね」
「欧州でもあるけれどね、食堂車両」
「移り行く車窓の景色を眺めながらのディナー」
「あれもいいね」
「それを日本でも楽しめるね」
「日本はそちらもあるからね」
 食堂車両もというのです。
「いいね」
「確かにそうね」
「駅弁だけじゃない」
「そのこともね」
「日本の鉄道のいいところだね」
「そう、そしてこの駅弁も」 
 こちらもとです、先生は駅弁を食べながら言いました。
「素敵なんだよね」
「それでこうして食べて」
「ウイスキーも飲んで」
「そのうえで車窓からの景色も楽しむ」
「優雅な旅だよね」
「こうした旅も」
「素敵な旅だよ、この紙コップもね」
 ウイスキーを入れているそちらも見ます。
「風情があるね」
「何でもない様でね」
「鉄道の中でのコップといえばこれだし」
「それを使ってウイスキーを飲む」
「これはこれでねいいね」
「そう、病みつきになるよ」 
 これはこれでというのです。
「本当にね」
「イギリスにはないよね」
「こんな飲み方も」
「かなり独特のことよ」
「もう日本ならではの」
「そうだね」
「こうして何でもとんでもない方向に進化して」
 そうしてというのです。
「素晴らしいものになる国だね」
「日本という国は」
「もうイギリスより遥かに凄い鉄道大国になっていて」
「鉄道文化まで確立していて」
「凄いことになっているわね」
「この国は」
「そしてその鉄道の旅を最初に楽しんで」
 そのうえでというのです。
「そしてね」
「その次にだね」
「鳥羽に着いたら」
「それからは」
「鳥羽を楽しんで伊勢にも行って」
 先生は皆にお話します。
「楽しもうね」
「それじゃあね」
「是非そうしよう」
「鳥羽に着いたら」
「その時はね」
「是非ね」
 こう言ってでした。
 先生は駅弁をウイスキーと一緒に楽しみつつ列車での旅を続けました、列車は兵庫県から大阪府、奈良県と入って。
 遂に三重県に入りました、そこで先生は皆に言いました。
「さて、いよいよだよ」
「鳥羽だね」
「鳥羽に着くのね」
「目的地に」
「そう、いよいよだよ」
 まだ海は見えていません。山ばかりが見えます。ですが列車はその中を進み山に向かって行くのでした。 
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