| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と不思議な蛸

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二幕その四

「そうしよう」
「それじゃあ」
 こうしたお話をしてです、皆は麦茶に水羊羹も楽しみました。そうした楽しい日常を過ごす中で、です。
 鳥羽に行く準備も進めます、その中で。
 先生のことを聞いて日笠さんが先生の研究室に来て尋ねました。
「鳥羽に行かれますか」
「はい、そうなりました」
 先生は日笠さんに笑顔で答えました。
「夏休みのはじめに」
「そうですか」
「そしてです」
 そのうえでというのです。
「蛸のことを調べてきます」
「蛸ですね」
「あちらに赤くない蛸が出たとか」
「赤くない蛸ですか」
 そう聞いてです、日笠さんは。
 どうかというお顔になってそうして言いました。
「それはまた」
「ご存知ですか」
「危険ですね」
 曇ったお顔になって言いました。
「それはまた」
「ですから」
 それでというのです。
「僕もです」
「気を付けてですね」
「調べます」
「そうされますね」
「凄く数の少ない蛸ですが」
 その蛸はというのです。
「ですが」
「それでもですね」
「危険ですから」
 その為にというのです。
「そうしていきます」
「くれぐれもそうして下さい」
「只でさえお水の中に入りますし」
 先生はこうも言いました。
「余計にです」
「気を付けられますね」
「はい」 
 そうだというのです。
「お水ですから」
「お水の中に入りますと」
 日笠さんも言います。
「実際にそうですね」
「潮干狩りの様な場所でも」
「やっぱり危ないですね」
「岩場で足を切ったりもしますし」
「ちょっとした深さで溺れます」
「ですから」
 そうなるからだというのです。
「本当にです」
「お水、海にもですね」
「気を付けます」
「それがいいですね」
「火よりも水の方が危ない」
 先生はこの言葉も出しました。
「そうも言いますね」
「時々言われますね」
「中国の古典、韓非子の言葉だったでしょうか」
 確かにというのです。
「確か」
「先生は中国の古典も読まれていますか」
「はい、中国語で読んでいます」
 そちらでというのです。
「漢文で」
「そうですか」
「はい、ですから」
 それでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧