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戦国異伝供書

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第百二十三話 耳川の戦いその三

「間違いなくな、しかも敵の様子を見ると」
「もうすぐですな」
「動きたい御仁は我慢出来なくなっていますな」
「それではですな」
「そろそろ」
「川を渡ってきますな」
「そうして攻めて来る」
 自分達に対してというのだ。
「そうなる、ならばな」
「そこで、ですな」
「釣り野伏せを仕掛け」
「そのうえで、ですな」
「敵を破りますな」
「そうする、その時がな」 
 まさにというのだ。
「近付いてきたな」
「左様ですな」
「ではですな」
「まさにですな」
「戦いますな」
「その様にするぞ」
 こう言ってだった、義久は戦への備えを怠らせなかった、鉄砲も弓矢も槍も刀も何時でも使える様にさせて。 
 時を待った、すると。
 夕刻より先にだった、大友家の軍勢の一部が。
「うむ、飯を食いはじめたな」
「ですな、ではですな」
「明日の朝にですな」
「こちらに来ますな」
「川を渡って」
「そうしてくる」
 間違いなくというのだ。
「ここはな」
「だからですな」
「明日の朝ですな」
「日の出と共にですな」
「戦となる、向こう岸の者達にも伝えよ」
 伏兵にしている者達そして高城の者達にというのだ。
「明日の朝じゃ」
「戦ですな」
「それになると」
「その様に」
「わしの命があれば動けとな、そして又四郎と又七郎はな」
 義弘と家久はというのだ。
「それぞれな」
「その時はですな」
「攻める様に」
「その様にですな」
「伝える、又六郎はな」
 歳久はというと。
「わしと共に本陣にいてな」
「そのうえで、ですな」
「殿と一緒に攻める」
「その様にせよと」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「その様にな」
「そしてですな」
「他の方々もですな」
「攻める」
「それぞれの陣から」
「そうしますな」
「その様にする、明日でじゃ」
 日の出と共にというのだ。
「激しい戦になるが」
「勝ちますな」
「大友家に」
「そうしますな」
「何があってもな、戦になれば」 
 それならというのだ。
「必ずな」
「勝つ、それが薩摩隼人です」
「ならばですな」
「明日は」
「皆の者戦うのじゃ」
 薩摩隼人らしくというのだ。 
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