八条学園騒動記
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第五百九十九話 クールじゃないその六
「だから上杉と呼ばずにな」
「長尾か」
「長尾平三と手紙で書き続けた」
「色々あったんだな」
「ここで本当にな」
「謙信とも輝虎とも書かなかったんだな」
「そうだった」
焼酎を口に含んで話した。
「あの人はな」
「そこも色々あるな」
「色々あり過ぎてな」
それでというのだ。
「難しいな」
「謙信さんを見てもな」
「そして謙信さんはな」
「お酒と塩分の摂り過ぎでか」
「寿命を縮めた」
「そうだったんだな」
「四十九歳でな」
「今だとかなりの若死にだな」
洪童はしみじみとした口調で述べた。
「その歳だと」
「そうだな」
「お酒も塩分も怖いな」
「確かに酒は進むが」
サラミに塩をどっさりと乗せたそのつまみはというのだ。
「レモンも効いていてな」
「余計にな」
「しかし本当に健康にはな」
これにはというのだ。
「悪いな」
「ああ、俺もあまりな」
「食わないな」
「やっぱりあれだな」
洪童は言った。
「辛いな」
「韓国料理のあの味か」
「あれがな」
まさにというのだ。
「一番いいな」
「やっぱりそうか」
「韓国人だからな」
洪童は笑って話した。
「あのキムチの味付けがな」
「一番いいんだな」
「大蒜と唐辛子をふんだんに使ってな」
この時代も韓国料理のこの味付けは変わらない、ただ連合各国の影響が加わっていて色々アレンジもされている。
「それで煮るか焼く」
「熱いんだな」
「そうした味付けがな」
まさにというのだ。
「いいな」
「韓国人としてはか」
「ああ」
こうダンに話した。
「第一はな」
「韓国人だからか」
「色は赤や青や緑や黄色でな」
「その時に使っている唐辛子の色か」
「ああ、その色でな」
それでというのだ。
「もう辛くて熱い」
「そうした料理で飲むんだな」
「それもかなり飲むんだよ」
洪童は笑顔で言った。
「お酒をな」
「食いながらか」
「ああ、とことん飲むんだよ」
それが韓国人の飲み方だというのだ。
「それがいいな、ただな」
「いつもとことん飲むとな」
「それはそれで身体に悪いからな」
「問題だな」
「連合でよく言われるからな」
韓国人のその飲み方はというのだ。
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