おぢばにおかえり
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第六十二話 二人乗りその十四
「お金を渡していたみたいで」
「お金貰いに来てたのね」
「家に来る時に」
「どうだったの?」
「お邪魔しますとも言わないで」
それでというのです。
「平気な顔で上から目線の顔で部屋に入ってきまして」
「嫌だったのね」
「はい、本当に」
それこそというのです。
「来なくなって本当によかったです」
「その叔父さんが心底嫌いだったのがわかるわ」
御顔にも声の色にも出ているからです。
「つくづくね」
「そうした人になりたくないんで」
「だからなのね」
「ちゃんをお伺いしてです」
「お邪魔しますって言うのね」
「はい」
そうだというのです。
「そうさせてもらいますので」
「そうなのね、しかし阿波野君って本当に反面教師の人多いわね」
「多くなくて特定の人をです」
阿波野君の叔父さんとその人のお母さん、つまり阿波野君のお祖母さんがそうなのがとてもよくわかります。
「そうしているだけです」
「それも徹底的に」
「それだけで」
「多くはないのね」
「そうです」
「そうなのね、けれどその人をね」
反面教師にしている人をです。
「徹底的にそうし過ぎだから」
「そこをですね」
「注意してね、また言うけれど」
そうしようと思って実際に言いました。
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