オズの木挽きの馬
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第九幕その七
「天下一の侍と言われた方であるからな」
「大坂の陣の活躍凄かったですよね」
神宝が言ってきました。
「もう獅子奮迅で」
「あんな凄い活躍世界でもないです」
ジョージも言います。
「お見事でした」
「私達日本に来てから幸村さん達のこと知りましたけれど」
ナターシャの目は憧れるものを見ている目になっています。
「素晴らしいお働きでした」
「まさに天下一の侍でした」
カルロスもその通りだと言いました。
「幸村さんは」
「敗れはしたがのう」
清海さんはこのことは残念だとです、お顔に出しました。ですがそれでもすぐにこう皆に言いました。
「右大臣様もお助けして皆薩摩に逃れられてな」
「よかったですね」
「全くだ」
恵梨香に笑顔で答えました。
「それはよかった」
「そうですね、ところで右大臣様は」
「だから豊臣のな」
「秀頼さんですね」
「うむ、皆が言うお名前は諱じゃ」
そのお名前だというのです。
「わし等の頃は絶対に使わなかった」
「そうでしたね」
「ちなみに殿は幸村と呼ばれるが」
「違うんですね」
「諱は実は信繁といわれる」
このお名前だというのです。
「そして普通のお名前は源次郎という」
「幸村さんでなくて」
「そのお名前がな」
「普通に言われるお名前ですね」
「だから右大臣様もな」
その人もというのです。
「わし等は豊臣秀頼様とお呼びしなかった」
「そうだったんですね」
「徳川殿もな」
「家康さんとはですか」
「とんでもない、幾ら敵であった方だが」
それでもというのです。
「諱でお呼びすることは決してない」
「確か内大臣とか」
「大御所殿ともな」
「お呼びしていましたか」
「そうじゃ、そこはな」
「礼儀ですね」
「そういうことじゃ、わし等十勇士もな」
清海さん達ご自身もというのです。
「お互いで諱で呼ばずな」
「お名前ですね」
「だから佐助と呼んでおる」
「猿飛佐助さんも」
「そうお呼びしている」
「そうなんですね」
「そうじゃ、だからな」
それでというのです。
「わし等はな」
「幸村さんとはですね」
「お呼びせぬ、信繁様ともな」
「源次郎様ですか」
「そうお呼びすることになるが」
それでもというのです。
「殿とな」
「その様にですね」
「お呼びしておる」
「そうですか」
「そこは覚えておいてくれ」
「わかりました」
「いや、しかしな」
清海さんはさらに言いました。
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