戦国異伝供書
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第百二十一話 耳川の戦いその六
「やはりな」
「それは、ですな」
「肥後の守護ではないからな」
それでというのだ。
「あの国についてはな」
「よいですな」
「そう思っておる」
「左様ですな」
「しかし国を拡げるのも戦国の世であるな」
「ならば」
「それも考えるか」
肥後を領地にすることもというのだ。
「それもな」
「さすれば」
「その様にな」
「その時は、ですな」
「考えておこう、しかし」
義久はさらに言った。
「三国を取り戻すつもりであったが」
「それがですな」
「より大きなことになってきたな」
「それはありますな」
「うむ、肥後もとなるとな」
この国もとなると、というのだ。
「実にな」
「そうですな」
「まあ肥後を手に入れたならな」
「その国の政をですな」
「考える、しかし今はな」
「大友家とのことをですな」
「考えていこう」
こう言うのだった。
「是非な」
「それでは」
「その様にな」
義久は義弘にも確かな声で述べた、そうして今度は釣り野伏せを何処で使うのかそして誰を出しどれだけの兵を出陣させるかを話していった。
そうしてだ、義久は弟達と茶室で話をしてそれから言った。
「我等四人がな」
「はい、全員出陣し」
「そうしてです」
「家の主な家臣達を率いて戦います」
弟達も述べた。
「そしてです」
「出す兵は四万」
「出せる兵全て出しましょうぞ」
「うむ、そして戦の場は」
それのことも話した。
「何処かとなるとな」
「高城ですな」
「あの城に敵軍を誘い込み」
「そうして戦いましょうぞ」
「あの城の近くには耳川がある」
この城がというのだ。
「だからな」
「それで、ですな」
「あの川を渡らせ」
「そうした戦いまするな」
「そうして釣り野伏せを使ってな」
そのうえでというのだ。
「戦おうぞ」
「左様ですな」
「そして彼等と戦い」
「そうしてですな」
「勝つとしよう、これでこちらの戦の仕方は決まった」
その全てがというのだ。
「ならな」
「それならですな」
「これよりはですな」
「我等は」
「大友家の出方次第じゃが」
それでもというのだ。
「ここはな」
「大友家が攻めてくれば」
「高城まで誘い込み」
「耳川で、ですな」
「戦おうぞ、その為にはな」
義久はさらに話した。
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