| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズの木挽きの馬

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その五

「どの人もね」
「いい人なんだね」
「ずっと幸村さんと一緒にいて」
「活躍してきたんだね」
「そうなの、困っている人や弱い人はいつも助けて」
「義を見てせざるはと言うではないか」
 清海さんが言ってきました。
「そうした者を助けねばだ」
「いけないですか」
「だからな」
 それ故にというのです。
「我等はにお仕えした時から殿にそう言われていてな」
「そうされているんですね」
「そしてもっと言えばな」
 清海さんはさらに言いました。
「皆殿にお仕えする前からな」
「そうしたお考えですか」
「外の世界でもな」
「そうなんですね」
「才蔵もそうじゃ」
「十勇士で一番クールな人ですね」
「あれで殿への忠義は絶対でな」
 そうしてというのです。
「困っている者がおればな」
「助けられるんですね」
「必ずそうする」
「そうした方ですか」
「左様、だから我等十勇士は今も共におる」
 オズの国でもというのです。
「殿にお仕えしてな」
「そうなんですね」
「外の世界では生まれた時と場所は違ったが」
 それでもというのです。
「主従十一人死ぬ時と場所は同じとな」
「約束されたんですね」
「その様に誓い合った」
「そこまで強い絆なんですね」
「左様、主従であり義兄弟であり友である」
「そうした間柄ですか」
「殿と我等はな」
 恵梨香に笑顔でお話します。
「そうであるからな」
「決してですね」
「離れぬし」
 それにというのです。
「殿のお言葉もな」
「絶対ですね」
「そうじゃ、そしてそれはな」
「幸村さんとお会いする前からで」
「困った者は助ける」
 絶対にと言うのでした。
「わし等はな」
「そうなんですね」
「うむ、ただな」
「ただ?」
「わしはつい考えずに行動して」
 そうしてというのです。
「厄介なことになる」
「そうなんですか」
「そこを伊佐に窘められることもな」
「あるんですね」
「結構な」
 こう恵梨香にお話しました。
「わしは」
「そうですか」
「佐助もそうであるし」
 この人もというのです。
「それでな」
「考えないで、ですか」
「ついついな」
 苦笑いして言うのでした。
「それでじゃ」
「何からしいですね」
「わし等らしいか」
「はい」
 こう清海さんに言う恵梨香でした。
「聞きますと」
「そうであるか」
「清海さんはそうした方で」
 それでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧