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レーヴァティン

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第百八十七話 オデッサからその二

「そしてね」
「川を使ってな」
「攻めるといいんだよ」
「そうしたら移動も楽だしな」
「川を使ってね」
「特に補給がな」
「そう、補給がしやすいから」
「川を使うべきだな」
「ここはね」
「船は充分あるしね」
 清音が言ってきた。
「それならね」
「ああ、もうな」
「補給は大丈夫だね」
「陸路でものを運ぶよりも」
「船の方がずっといいからな」
「沢山のものを速く運べるから」
 それでというのだ。
「ここはね」
「是非だよな」
「あの川を使うべきよ」
「そうね」
「じゃあまずね」
「ボルガ川に」
「そっちに行こう」
 清音もこう言った。
「まずは」
「それがいいな」
「地形をどう使うか」
「戦略戦術の基本だな」
「これを無視したらね」
 それこそというのだ。
「勝てる戦も勝てないよ」
「そうだよな」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「そうしていくよ」
「これまで通りな」
「そうね」
「じゃあまずはオデッサに主力を向かわせるな」
「私達もね」
「そうしていくか」
「それではです」
 順一も言ってきた。
「軍を休ませて」
「疲れを取ってな」
「それからオデッサに向かいましょう」
「これまでの戦と進軍で疲れているからな」
「お陰で浮島の東方の大半を掌握出来ましたが」
 それでもというのだ。
「やはり軍全体を見ますと」
「疲れが見られるな」
「疲労は深刻な問題です」
「そうだよな」
「そちらも考慮しなくては」
 順一は久志に話した。
「やはりです」
「駄目だからな」
「これは普通に働いていてもですし」
「軍隊だって同じだな」
「進軍でも戦でも」
「そこも考えてな」
「行うべきであり」
「今は休むべきだな」
「一週間程軍を休ませ」
 進軍をせずにというのだ。
「それからです」
「オデッサに戻るか」
「そうしましょう、あと浮島東方のワルシャワやブダペスト辺りは道もよかったですが」
 順一は今度はそちらの話をした。
「北の大国はです」
「道が悪いか」
「湿地帯も多く」
「道もぬかるんでいるか」
「はい、道は悪いので」
「だから余計にか」
「川を使うべきです」
 ボルガ川、この川をというのだ。 
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