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レーヴァティン

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第百八十六話 川を使いその六

「そんなもの」
「実は娼館ってそのリスクはまだ少ないけれどな」
「表で管理しているとな」
「そうだよな」
 だから軍の慰安所は安全だったのだ、かつての日本軍は軍に醜行そして性病が蔓延らない様に慰安所をもうけたのだ。
「モグリは論外にしてもな」
「定期的な診断もするしな」
 性病のそれもだ。
「だからかなり安全だが」
「それでもか」
「やはりそのリスクはある」
 性病に感染するそれはというのだ。
「そしてその親戚はな」
「あれか?風俗に行って」
「二人も三人もと言ったな」
「そっちか」
「愛人だった人の一人に実は本命の恋人がいた」
 つまり実は浮気をしていたのだ。
「その人は独身だったがダブル不倫に近かった」
「ああ、その恋人がか」
「随分女好きでだ」
「その人が病気もらってか」
「愛人の人が感染してだ」
 そうしてというのだ。
「親戚の人にってなって」
「奥さんもとなった」
「性病の怖いところだな」
 こうして人から人にと感染していくのだ、そうして蔓延していくのが性病の恐ろしいところであるのだ。
「その親戚は淋病だったが」
「そっちの病気か」
「親戚で大騒ぎになった」
「今話している通りにか」
「淋病は風呂からも感染るからな」
「そうなんだよな」
「風呂をしっかり洗っていると大丈夫だが」 
 それでもというのだ。
「そのこともあるからな」
「大騒ぎになってか」
「今も疎まれている」
「そりゃそうだな」
「そして離婚はしなかったが」
 それでもというのだ。
「夫婦仲は今も悪いし子供さん達からもな」
「嫌われてるんだな」
「そうなっている」
「そうなるよな」
「浮気もかなりだが」
「病気になるとかな」
「最悪だからな、本人もそれ以来浮気は止めた」
 そうなったというのだ。
「そんな状況になったし痛かったらしい」
「ああ、淋病って痛むらしいな」
「用を足す時にな」
 その部分に激痛が走るという、そして出るものは膿だ。
「そうらしい」
「それで放っておくと洒落にならないことにもなったな」
「嵐寛十郎さんだな」
「あの人結局な」
「子供が出来なくなった」
 淋病が悪化しそれで睾丸を除去することになったという、その結果一生子供を作れなくなってしまったのだ。
「そうなった」
「怖いな、淋病も」
「そうした話が身近にあるからな」
「お前も相手の人は一人か」
「そうだ、複数となるとな」
「リスクがあるか」
「それが洒落になっていない」
 それ故にというのだ。
「俺はだ」
「娼館には入らないか」
「そうした遊びもしない」
 そうだというのだ。 
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