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八条学園騒動記

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第五百九十五話 正門を去ってその一

                正門を去って
 アルフレド達は正門にいたままだった、ここでビアンカがこんなことを言った。
「ここまで厳重なガードだとね」
「法律に触れる様な奴は通れないな」
「ええ、そうした状況だからね」
「何かあるか」
「推理ものだと」
 このジャンルの作品ならというのだ。
「そうした時こそね」
「何かが起こるな」
「殺人事件がね」
「そうだな」
「それが常よね」
「門はこれで中は風紀部が見回っている」
「あちこちに人がいてね」
 それでというのだ。
「もう密室と一緒よね」
「密室だとな」
「殺人事件が起きるのがね」
 それがというのだ。
「推理ものの常よね」
「それはそうだな」
「それで主人公がその謎を解く」
「推理ものの常だな」
「となると」
 ビアンカは笑って話した。
「今起こるわね」
「推理ものだとな」
「そうよね」
「そして主人公つまり名探偵の出番だ」
「まさにね」
「そうだな、しかし現実にはな」
 アルフレドはビアンカに話した。
「そうそうはだ」
「そんなことないわね」
「むしろあるとな」
「嫌よね」
「推理ものの主人公なんて行くところ絶対にね」
 まさにとだ、ロミオは言った。
「殺人事件が起こるよね」
「そうそう、犬も歩けば」
「棒に当たるでね」
「推理ものだとね」
「主人公が旅に出れば」
 その時にというのだ。
「殺人事件に出会うね」
「物凄く嫌よね」
「学校でもな」
「もうしょっちゅうね」
「殺人事件が起こって」
「嫌よね」
「僕そんな学校いたくないよ」
 絶対にというのだ。
「何があっても」
「自分もそうなるかもね」
「殺されたりね」
「疑われたり」
「最悪自分が犯人とか」
「そんな学園生活なんて」
 それこそというのだ。
「いい筈がないわ」
「絶対にね」
「推理ものも」
 これもというのだ。
「あったらね」
「そうした風だね」
「ええ、推理ものは読む分にはいいけれど」
 それでもというのだ。
「自分が関わると」
「嫌だね」
「犯人に疑われたら」
 ビアンカは顔を曇らせて話した。
「最悪よ」
「それだけでね」
「もっと嫌なのは被害者」
「殺されたりね」
 ロミオも顔を曇らせて応えた。 
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