| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

頭お花畑

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「どうにもならないな」
「ああ、あいつの考えはな」
「もうどうかしてるな」
「見ているものが俺達と違うな」
「本当にな」
「そうなっているな」
「ああいう奴はもう幾ら言っても無駄だろ」
 最早というのだ。
「それこそな」
「もうそうとしか思えないな」
「一体何見ているんだ」
「世の中の並見ているんだ?」
「自衛隊いらない?」
「北朝鮮の独裁者がよくて日本の皇室は駄目か?」
 いぶかしながら言うのだった。
「立憲君主制は民主主義じゃないか」
「っていうか共産主義は民主主義か」
「どんな頭の構造してるんだ」
「じゃああいつの中では北朝鮮は民主主義か」
「正気か」
「いや、そもそも話す目おかしかったな」
「そういえばそうだったな」
 ここでこのことに誰もが気付いた。
「そういえばな」
「自衛隊いらないっていうのも平気な目で言ってた」
「北朝鮮のこともな」
「兵器過ぎてやばい感じだったな」
「ああ、そうだったな」
「じゃああいつはそういう奴か」
 彼等の中で結論が出ようとしていた。
「そうした考えの奴か」
「現実を全く見ていないか」
「見えていない奴か」
「自衛隊がこの前震災の時にあれだけのことをしてもな」
「全く見えていないんだな」
「そういう奴か」
「じゃあもうこうしたことで何を言ってもな」
 それこそというのだ。
「無駄だな」
「そうした奴ってことだな」
「もう放っておくしかないな」
「言っても無駄だしな」
「こと政治のことはな」
 最早というのだ。
「言っても駄目だな」
「ああ、そっち系の雑誌も熱心に読んでるみたいだしな」
「どうしようもないな」 
 彼等は津田のことを諦めた、そして以後彼に政治の話をすることはなくなった。だが津田は政治的にはさらにおかしくなり。
 そうした雑誌や本を読み耽り市民活動にも参加する様になった。その主張もどんどん先鋭化していき。
 卒業した、それから彼がどうなったか多くの者は知らなかったが。
 彼の友人だった者が就職してだった。後輩が出来てその後輩に津田の話をした。
「こういう奴が大学の同期にいたんだよ」
「その人アホですか?」
 後輩は彼に真顔でこう返した。
「いや、本当に」
「アホか」
「自衛隊なくて災害の時どうするんですか」
「そいつが言うにはな」
「無理ですから」
 津田の言う様には出来ないというのだ。
「あと国防もですよ」
「絶対だな」
「そんなの猿だってわかりますよ」
 それこそというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧