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怒鳴っても来てくれて

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第二章

「そうしますから」
「来てくれるの」
「はい、先輩にはいつもお世話になってますし」
 佳奈は面倒見がいい、それでだ。
「いつものお礼に」
「悪いわね」
「いいですよ、困った時はお互い様で」
「それでなのね」
「今日は一緒に帰りましょう」
「貴女のお家は」
「先輩のお家の近くじゃないですか」
 茉祐は笑って答えた。
「隣の駅で」
「そうだったわね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「今夜はそうしましょう」
「会社から帰ったらまずはペットショップに行って」
「おもちゃや美味しいご飯を買って」 
 そうしてというのだ。
「お家に」
「それではね」 
 佳奈は茉祐の言葉に頷いた、そうしてだった。
 仕事が終わると二人でまずはペットショップに寄った、そこでおもちゃに上等のドッグフードを買ってだった。
 家に帰った、ここで茉祐は佳奈に問うた。
「先輩のご飯は」
「それはお家にあるから」
「そうですか」
「だからうちの人が今いないでしょ」
 出張中でというのだ。
「だからハヤシライスをね」
「沢山作ってですか」
「作り置きしているの、三日分ね」
「そうなんですか」
「ご飯もあるし」
「大丈夫なんですね」
「ただ作り過ぎて。ご飯も余っていて」
 佳奈はこのことは少し困った苦笑いになって言った。
「だからよかったら」
「私もですか」
「お家に来てくれるし」
 それでというのだ。
「食べる?」
「それじゃあ」
「あとお散歩も行かないとね」
 犬のそれにというのだ。
「実は今朝も行ったけれど」
「夜もですね」
「それは絶対だから」
「ワンちゃんのお散歩はですね」
「それもするけれどその間よかったらお風呂に入っていてね」
「何でもご馳走になって悪いですね」
「いいのよ、おもちゃ買うの提案してくれたり一緒に帰ってくれてるから」
 自分を気遣ってというのだ。
「これ位はね」
「いいですか」
「ええ、それじゃあね」
「今からですね」
「帰りましょう」
 家にだ、こう言ってだった。
 佳奈は茉祐を連れて家に帰った、だが玄関まで来てだ。暗い顔になって言った。
「いよいよね」
「そうですね、じゃあ一緒に」
「謝ってくれるのね、ゴンに」
「はい、では一緒に」
「お家に入って」
「謝りましょう」
 茉祐は佳奈を励まして言った。
「これから、謝ってプレゼントをあげれば」
「ゴンもなのね」
「絶対に許してくれますから、物凄く明るくて愛想のいい子ですよね」
「愛嬌もあってね」
「そんな子ですから」
 だからだというのだ。
「きっとです」
「許してくれるのね」
「そうですよ、じゃあ中に入りましょう」
「それじゃあね」 
 佳奈は茉祐の言葉に励まされた、そしてだった。 
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