おっちょこちょいのかよちゃん
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108 羽柴家の三姉妹
前書き
《前回》
かよ子の家の隣人のおばさんの娘・羽柴さりがいる名古屋で赤軍に異世界の敵と戦うかよ子達。かよ子は杉山達と共にバーシムを何とか撃破するが、赤軍の一人、岡本公三が強大かつ無敵ともいえる聖母マリアの精霊を出現させる。さらに加勢に来た奥平純三に二人が持っている異能の能力を引き出す機械を使用し、攻撃も防御もできなくなり、かよ子達は窮地に陥る。その時、マリアが急に消滅し、その場にはおばさんの娘であり、さりの姉である煮雪ありと祝津ゆり、そしてありの夫の悠一、ゆりの隣の家に住む女子高生・鷺森光江が援軍として現れた!!
かよ子達の助けに現れたのはさりの姉のありとゆり、そしてありの夫とゆりの隣の家にす住む女子高生だった。
「ゆり姉、あり姉、光江ちゃん!」
「さり達、助けに来たわよ!」
「我も参った!」
「お、お主はアイヌの首領・シャクシャインではないか!」
石松はシャクシャインの登場に驚いた。
「石松、知り合いなの?」
「ああ、『向こうの世』で共に戦った事がある!」
「お前、ぶっ飛ばしてやるぞ!」
悠一が動き出す。悠一の持つテクンカネが発動した。
「そんなもんでどうやって俺達を・・・」
岡本は嘲笑った。が、その時、ガシャという音がした。
「何!?」
岡本は機械を取り出す。見聞の能力、武装の能力、そして威圧の能力全てを使用できる機械がいつの間にか壊れていた。
「そういえば晴生が逮捕された時も・・・」
「そんな卑怯な手は私には通じないよ」
別の男の声がした。
「あれは・・・。イマヌエルさん・・・!」
すみ子は覚えていた。自分達組織「義元」に道具を授けた主を。イマヌエルは右手を出す。
「今、赤軍達は金縛りにした。気絶させろ!」
「はい!」
イマヌエルの命によって三河口は岡本に威圧感を与え、濃藤が剣を振る。岡本は気絶した。奥平の方も北勢田が刃で電気ショックを与えて気絶させた。
「この、やろ・・・!!」
奥平は気絶の際、呟いた。
「私はあまりいられない。後始末はできるか?」
「う、うん、できるよ!」
かよ子は答えた。
「分かった。私はあまり的に姿を見せたくないのでね、では、失礼するよ」
イマヌエルは消えた。
「よし、後は愛知県警に連絡すればいいわ。私、行ってくる」
さりは公衆電話を探しに行った。
「ゆり、あり、よく来てくれたんね。ありがとう」
奈美子は娘に感謝した。
「ええ、母さんや山田さん達も来てたのね」
「は、はい・・・。こんにちは」
かよ子はゆりやありにも挨拶した。
「貴女がかよちゃんね、久しぶりね」
「さりから聞いているわ。大雨の時に杖の所有者として頑張っていたそうね。それに、母さんから文化祭での活躍も聞いているわ」
「はい、でも、まだおっちょこちょいで・・・」
「私も健ちゃんから話聞いてるわよ」
「ど、どうも・・・」
かよ子は照れた。
「あ、そうそう、この人は私の旦那よ」
ありは自分の夫を紹介する。
「悠一と申します。宜しく」
「久しぶりね、悠一君」
「光江ちゃん、君も異世界の道具を持っているのか?」
三河口は光江に聞く。
「ええ、神戸の三つの神社の力が入った御守を持っとるの」
「三河口君、その子と知り合いなの?」
奏子が質問した。
「ああ、中学生の頃、神戸のゆりちゃんの家に行った時に会った事があるよ」
「鷺森光江言います」
光江は奏子達にも挨拶した。
「光江ちゃんも俺達と同じ高校二年生だよ」
「マジか」
かよ子から見て光江は大人しそうな女子に見えた。
「ああ、そうそう、この子達は俺やかよちゃんの友達です。皆様々な能力を持っているんですよ」
三河口が光江や悠一、従姉達に紹介した。
「そうなん、お疲れ様ね」
「でも、戦いは激しくなっているはずです・・・」
皆は名古屋の街の荒れ様を見た。その時、さりが戻って来た。
「警察に連絡すんだわよ。お姉ちゃん達、悠一さん、光江ちゃん、来てくれてありがとう・・・」
「いいのよ。妹の為なら。ねえ、お姉ちゃん?」
ありは長女に確認する。
「そうね、でも、三人がこうして集まったの久しぶりね・・・」
「皆家出ちゃったし、健ちゃんが居候してるくらいよね」
「はい、でも、三人は仲良くていいですね。俺と兄貴とではえらい違いですよ」
「そんな事気にしなくていいの」
「そうですよね・・・」
「兄弟姉妹っていいな・・・。私って一人っ子だから羨ましいな」
奏子が呟いた。
「まあね」
「人によって主観は違うけどね」
「僕は妹は可愛いし、兄弟っていいと思うよ」
長山は意見を言った。
「私も、お兄ちゃんがいてくれてありがたいな・・・」
「おい、すみ子・・・」
すみ子も意見を言う。
「俺も姉ちゃんが来てくれて助かったぜ。でも、その玉、いつ手にしたんだ?」
「ああ、これね。アンタが大野君と喧嘩してたから石松が不安になって私に応援を求めてね、その時に貰ったのよ」
「そ、そうだったのか?」
「もう大丈夫なの?」
「ああ、もう大野とは仲直りしたぜ」
「そう、大野君、ごめんね、弟が迷惑かけて」
「いえ・・・、俺も・・・、すみませんでした・・・。ゴホ、ゴホ・・・」
大野は出ない声を思い切りだす。
「あら?」
「大野君は今日の合唱コンクールで声が出なくなっちゃったんです!」
冬田が説明した。
「そうだったの・・・」
「へえ、お前らの学校は合唱コンクールだったのか。こっちは劇やったぜ。白雪姫のな。山口は王子の役ですみ子が白雪姫をやったんだ」
「そうなんだ。こっちの合唱コンクールはこいつも独唱部分頑張ってたんだぜ、な、山田!」
杉山がかよ子の方を向く。かよ子は顔が赤くなった。
「う、うん、ありがとう・・・」
「でも、アタシのお姉ちゃんはホントケチでオカチメンコだよお~」
「何言ってんのよ!私だってアンタみたいな世界一バカな妹を持ってる事が最大の恥よ!」
さくら姉妹は喧嘩を始める。
「おい、やめないか、二人共」
三河口は喧嘩を止めようとする。
「でも、ブー太郎は妹のトミ子と仲いいよな」
「あ、ああ、そうだブー」
「お前、妹いたんでやんすか」
「ああ、そうだブー」
「そうそう、妹も『ブー』っていうんだよお~」
やがて、愛知県警が来る。県警の警部が事情を聞いた。
「いやあ、クリスマス・イブの大変な中、お疲れ様でした。まさか赤軍が愛知県にも来るとはね」
「いえ、いえ・・・」
「ところで、他の敵はいねえのかな?」
杉山は気になった。
「確かに、支援する奴が来てもおかしくねえな」
山口もそう思った。だが、その時・・・。
「う・・・!」
「あ・・・!」
三河口やすみ子、北勢田や濃藤が胸騒ぎを覚えた。
「お、お兄ちゃん、すみ子ちゃん達、どうしたの?」
かよ子が気になった。
「別の敵が来ている・・・」
「ええ!?」
皆は驚いた。かよ子は慌てて杖を手から落とすといういつものおっちょこちょいをやってしまった。
「私の仲間の逮捕なんて許さないわよ」
どこからか女性の声が聞こえた。
「だ、誰!?」
皆は周りを見回した。別のヘリコプターが飛んできている。一人の女性が降りてきた。その女性は剣を持っている。
「私はリーダーの重信房子よ」
後書き
次回は・・・
「日本赤軍の長」
かよ子達の前に赤軍のリーダー、重信房子が姿を現した。房子はかよ子達にある物を見せるが、それは広島で奪われたという異世界のとある最上位の道具の一つであり・・・!!
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