八条学園騒動記
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第五百九十四話 正門にてその五
「そうなるからね」
「狡猾なテロリスト相手ならな」
「そうだよね」
「だがそんな奴でもだ」
「対することは出来るね」
「アルセーヌ=ルパンもシャーロック=ホームズとは引き分けた」
尚ルパンとホームズを作品の中で対決させたルパンの作者ルブランはホームズを出してホームズの作者ドイルから批判を受けている。
「無敵のテロリストもだ」
「いないね」
「だからテロは怒ってもだ」
それでもというのだ。
「やはりな」
「備えはしないとね」
「備えなくして憂いなしだ」
こう言うのだった。
「やはりな」
「そういうことだね」
「備えをしない者は愚かだ」
「学校でもそうだしね」
「だからこうしてだ」
「ガードマンの人達が門を守って」
「仲には風紀部の人達がいる、そして壁もな」
これもというのだ、学園を囲んでいるそれも。
「高く監視カメラもだ」
「置かれてるね」
「学園の中にも置かれているしな」
「監視カメラもないとね」
「やはり駄目だ、観られていると思うとな」
それだけでというのだ。
「人は悪事をしないものだ」
「そこから逮捕されるしね」
「カメラも必要だ」
「そうだね、人以外にも」
「そういえばうちの学園壁高いわよね」
ビアンカはこのことを言った。
「五メートルはあるわね」
「それだけ高いとな」
「そう簡単に登れないわね」
「だからいい」
「変な人が通られないから」
「そうだ、あれも警護の為に必要だ」
高い壁もというのだ。
「本当にな」
「若しそれがないと」
「やはりいざという時にな」
どうしてもというのだ。
「入られる」
「そうよね」
「暴漢も五メートルの壁は普通は越えないな」
「まあ一瞬で越えることは無理ね」
「お空を飛ぶとかね」
ロミオは笑って言った。
「若しくは棒高跳びとか」
「そうしたことをするとな」
「変態さんだね」
「普通の人はしないからな」
「僕も棒高跳びは冗談で言ったよ」
ロミオにしてもだ。
「これだけはね」
「だから僕もそう応えた」
「うん、まあとにかくだよね」
「五メートルも高さがあるとな」
「普通の人が生身で越えるとかね」
「出来るものじゃない」
「そうだね」
「だから効果がある」
そうだというのだ。
「本当にな」
「そうだね」
「本当に何も備えがないとな」
「馬鹿なことになるね」
「そしてそこで権力に反対するならいいという馬鹿がいるとな」
テロが起こった時にだ。
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