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レーヴァティン

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第百八十三話 自害その三

「生かしておけないな」
「そうだよね」
「むしろ有能な外道とかな」
 それこそというのだ。
「こんな有害なものはないからな」
「本当にね」
「外道でも無能ならな」
 この場合はというと。
「助かるけれどな」
「相手をする方もね」
「けれど有能な外道なんてな」
「こんな厄介なことはないよ」
「本当に屑ってのは別だな」
 どう別かもだ、久志は語った。
「有能な働き者とかの区分とはな」
「そうだね、これは適材適所ですぐに変わるから」
「無能な働き者もな」
「有能な働き者になるよ」
「その逆もあるな」
 全ては向き不向き次第だというのだ。
「本当にな」
「けれど屑だとね」
「性根がそれだとな」
「例え有能な働き者でも」
「害そのものだぜ」
「それでその害がね」
 まさにというのだ。
「あの領主だよ」
「そういうことだな」
「だからね」
「あの領主は処刑するしかないな」
「そうなるよ」
「そうだな、けれどあの領主の性格なら」 
 どうかとだ、久志は話した。
「もうな」
「自決してるかもだね」
「そうかもな」
「そうなっていたらいいわね」 
 双葉は前を見ながら述べた。
「領主も誇りを保てるし」
「俺達もな」
「処刑する手間がかからなから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「有り難いな」
「そうだったらね」
「そうだよな、まあとにかくこのままな」
「城主の間までね」
「行こうな、流石に敵もな」
 彼等もというのだ。
「そろそろ領主に絶対の忠誠を誓っている奴も出て来るぜ」
「だからだね」
「その連中とはな」
「戦ってだね」
「倒すな」 
 そうするというのだ。
「これからは」
「そしてそうした連中は」
 双葉は真剣な顔で言った。
「もう決死の覚悟でね」
「来るな」
「そしてね」
「奇襲もだよな」
「仕掛けて来るわよ」
「だからだよな」
「ええ、用心することよ」
 こう言いつつだ、双葉は。
 横の壁に左手を突いた、そして。
 そこに炎の術を放った、すると。
 壁が赤く変色しそこから燃え盛る軽装の男が出て来た、右手にはダガーがあった。刃が紫に光っているのは毒が仕込んであるからだ。男は燃え盛ったままその場に倒れた。その者を見て双葉は久志にさらに言った。 
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