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おぢばにおかえり

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第六十一話 食べてもらってその十九

「この二人が最悪で」
「それでそう言うの」
「はい、この叔父がもう」
 これ以上はないまでに嫌そうなお顔での発言でした。
「どうにもならなくて」
「そうだったの」
「それでこの叔父をその母親が甘やかしていて」
「余計に悪いのね」
「その母親も最悪で」
「もう最悪尽くしね」
「だからお話したくもないです」
 こうまで言うのでした。
「これで止めますね」
「その方がいいみたいね」
「はい、本当に酷い二人で」
「どのお家にも何かとあるけれど」
「うちもですね」
「そうみたいね」
「はい、この二人はどうにもならないんで親戚中から相手にされてないです」
 これまた嫌そうに言いました。
「僕の家族もお付き合いしてないですし」
「そうなのね」
「それで大叔母さん達は」
「天下茶屋の」
「いつも可愛がってもらってます」
 そうだというのです。
「実の孫みたいに」
「だから阿波野君も慕ってるのね」
「そうなんです、ただ」
「ただ?」
「孝行が足りないですね」 
 さっきまでとは全然と違う言葉でした。
「本当に」
「大叔母さん達は大切に思ってるのね」
「そうですね、親戚の中でも」
「大切にすべき人は大切にするのね」
「そうしないと駄目ですよね」
 何といってもという返事でした。
「やっぱり」
「それはね、どうしてもね」
 嫌いな相手は徹底的に嫌う子だけれどこのことはいいと思いました。それで阿波野君にこう言いました。 
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