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オズの木挽きの馬

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第三幕その一

               第三幕  からくり仕掛けの迷路
 一行は黄色い煉瓦の道を進んでいきます、その中で。
 グリンダは皆にこう言いました。
「もう少し行ったら面白い場所に着くわ」
「面白い場所?」
「ええ、迷路にね」
 そこにというのです。
「着くわ」
「迷路なんだ」
「オズの国は多いわね」
「それはね」 
 木挽きの馬はグリンダに答えました。
「そうだね」
「それでなの」
「これから行く先になんだ」
「迷路が出来てね」
「その迷路に入ることにもなるんだ」
「ええ、ただ特別な迷路だから」
 グリンダはこうも言いました。
「中に入ったら皆はぐれない様に注意してね」
「はぐれたらどうなるのかな」 
 木挽きの馬はグリンダに尋ねました。
「一体」
「その時は出られなくなるかも知れないから」
「だからなんだ」
「かなり特別な迷路だから」
「オズの国の迷路の中でもだね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「気をつけてね」
「わかったよ、はぐれないことだね」
「オズの国の忍者の人達が作った迷路なの」
「忍者の人達がなんだ」
「そう、作ったの」
 そうだというのです。
「あの人達がね」
「忍者っていうと」 
 忍者についてです、ガラスの猫は言いました。
「この旅の間お話に出ている」
「うん、あの面白い人達だね」
「そうよね」
「忍術を使うね」 
 木挽きの馬はガラスの猫に答えました。
「その人達だね」
「あの人達が作った迷路ね」
「一体どんな迷路か」
「一度見てみたいわね」
「忍者の迷路っていうとね」 
 モジャボロも言ってきました。
「忍者屋敷みたいなのかな」
「ああ、忍者の人達が住むお家で」
 弟さんはお兄さんに応えました。
「それでだね」
「中に色々な仕掛けがあるね」
「面白いお屋敷だね」
「秘密の抜け道とかある」
「そうした場所だね」
「じゃあそうした場所かな」
 また木挽きの馬が言いました。
「その迷路は」
「忍者屋敷なら」
 忍者のお国の日本出身の恵梨香が言ってきました。
「私も知ってるけれど」
「恵梨香は行ったことがあるんだね」
「伊賀に忍者屋敷があるから」
「それでだね」
「伊賀に行った時にね」 
 恵梨香は木挽きの馬にもお話しました。
「ちゃんとね」
「行ったことがあるんだね」
「ええ、中に色々な仕掛けがあってね」
「面白いんだね」
「そうした場所よ」
「若し忍者屋敷が迷路なら」
 木挽きの馬は恵梨香に言いました。 
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