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空に浮かぶ城

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第三章

「私は」
「わたくしもです、ですが」
「それでもですね」
「実はです」 
 ターリャにこう話した。
「あの絵をはじめて目にした時からです」
「あのお城になのですね」
「住みたかったのです」
「それでなのですね」
「築かせました、そして」
「本当にあのお城に住めるのですね」
「嘘の様ですが」
 それでもというのだ。
「住めるのなら」
「これからですね」
「離宮になりますが」
「主に住む場所でないですが」
「住んでいきます」 
 時々でもというのだ。
「そうしますわ」
「ではなのです」
 ここでターリャは笑ってこうも言った。
「時々でも枢軸の星の人達を呼んだり」
「他の勢力の人達との会談にもですね」
「そうして一緒に楽しんだらいいのです」
「左様ですね」
「例えば連合の面々を」
「統一したばかりの彼等も」
「そうなのです、やがてガチンコで戦うにしてもです」
 これからそうなってもというのだ。
「今は特にないですし」
「それで、ですわね」
「あの十人も読んで楽しんでもらえればいいのです」
「いいですね、ではタゴール君も一緒で」
 そしてというのだ。
「皆で楽しみましょう」
「そうするといいのです」
 ターリャハエカチェリーナに笑顔で話した、そして枢軸と連合の政治的な階段の後で連合の主な面々をその宮殿に招いたが。
 芥川はその宮殿の中、ロマノフ朝の宮殿のそれの様な中を見回してそれでエカチェリーナに対して言った。
「一つええか」
「何ですの?」
「外見はマグリットでもな」 
 それでもというのだ。
「内装はちゃうな」
「そのことですか」
「ああ、それは変えたんやな」
「ここに住むことは夢でした」 
 マグリットの絵の城にとだ、エカチェリーナは笑顔で話した。
「まことに」
「そやから建てたな」
「はい」
 実際にというのだ。
「そうしました」
「そやねんな、けどな」
「中は、ですのね」
「あのお城と全然違うな」
 そうだというのだ。
「ほんまに」
「そういえばな」
 中里も言ってきた。
「あのお城についてはな」
「中身まではな」
「考えてなかったな」
「僕等にしてもな」
「そやったな」
「けれどな」
「ああ、ロシアの宮殿とかな」
 そうしたというのだ。
「そんなことはな」
「考えてなかったな」
「そこまではな」
「内装もですわ」
 みらびやかなその中でだ、エカチェリーナは話した。 
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