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レーヴァティン

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第百八十一話 東から西へその十一

「民はやっていけん」
「それで俺達につくか」
「そうなってるわ」
 まさにというのだ。
「そうやとな」
「民を手に入れていくか」
「それがええで」
「領主から引き離すか」
「やっぱり戦で効果的なんはや」
「民を味方につけることだよな」
「こっちの民は言うまでもなく」
 そしてというのだ。
「敵の民もな」
「それが出来たらな」
「もう戦はかなり楽になるやろ」
「そうだよな、そうした意味でも圧政敷いたらな」
「あかんってことや」
「そうだよな、というか貧しい中で独立を保とうとしたら」
 久志はその領主の立場になって考えてもみた、主観だけでなく客観それも敵の立場になってそうしてみることも必要だと思ってのことだ。
「時としてそうする場合もあるか」
「圧政を敷くこともな」
「あるんだな」
「とんでもなく厳しい法治してな」
「残虐な刑罰で見せしめにもしてか」
「邪魔だって思ったらどんどん殺す」
「そんなことも必要なんだな」
 久志は難しい顔で述べた。
「そこまでしないと」
「ああ、けどここの領主はそれ差し引いてもや」
「とんでもない残虐さだな」
「どう見ても泥棒位でや」
「人豚はねえよな」
「それも家族全員そうするとかな」
 そこまですることはというのだ。
「必要ないわ、しかも処刑の有様ずっと見てにやにや笑ってたっていうからな」
「ガチだな」
「ほんまに残虐な奴や」
「殺人狂だな」
「若し普通の民やったら殺人鬼やったわ」
 そうなっていたというのだ。
「多分な」
「そんな風になってただろうな」
「あんたもそう思うやろ」
「不要な時でもそうしてるからな」
「そや、それでや」
「捕まえたらや」
「処刑すべきや」
 そうしなければ駄目だというのだ。
「うちもそれは賛成や」
「そういうことだな」
「そや、ほなな」
「民を味方につけながらやな」
「攻めていくで」
「ああ、そうするか」
 久志は美奈代の言葉に頷いた、そうしてだった。
 実際に占領していった地域では帝国の政と法で治めることを約束した、すると民達は次々と帝国に入って来ていた。久志はその彼等を見つつ兵を進めさせた。


第百八十一話   完


               2020・10・8 
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