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戦国異伝供書

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第百十四話 人取橋の戦いその四

「攻めてきてもな」
「これまでの様に」
「退ける、よいな」
「その様に」
 こう言った、だが。
 政宗は自軍の動きを見て即座に目を鋭くさせてそうして言った。
「いかんな」
「いかん?」
「いかんといいますと」
「爺の働きがよい」
 茂庭の戦bル意を見ていうのだった。
「実にな、これはいかん」
「それはよいことでは」 
 成実は警戒する様な声を出した政宗に怪訝な子で問うた。
「それは」
「爺が見事な戦をしていることがじゃな」
「はい、お陰で我が軍は助かっております」
 政宗に怪訝な顔で述べた。
「ですから」
「ではお主は敵に強いい者がおればどうする」
 政宗は成実に問い返した。
「その者がおれば」
「すぐにありったけの猛者をぶつけて倒します」
 成実はすぐに答えた。
「さもなければその者の為に我等が破れます、とにかく使える力を使って倒します」
「それじゃ」
 まさにとだ、政宗は成実に行った。
「それが答えじゃ」
「そういうことですか、では」
「今当家の運税で一番よく戦っておるのは爺じゃ」
「では爺に対して敵は軍勢を思いきりぶつけてくる」
「そして倒そうとする」
 まさにというのだ。
「当家で一番勇ましく見事に戦っている者をな」
「そうしてくる」
「それは危ういですな」
「まず言うが爺は殺させぬ」
 決してというのだ。
「何があろうともな」
「では」
「爺に敵がこれでもかと襲ってきた時にな」
「逆に攻めますか」
「そうする」
 まさにというのだ。
「そうして辞意を救いそしてな」
「敵の攻めも挫きますか」
「その様にする、ではよいな」
「ここは、ですか」
「爺に敵がこれでもかと攻めてきた時にじゃ」
「逆にですか」
「攻める、小十郎もそれでよいな」
 政宗は片倉に顔を向けて問うた。
「爺に攻めてきた時にな」
「逆に攻めて茂庭とのをお救いし」
「戦の趨勢を決める」
 その様にするというのだ。
「よいな」
「はい、それでは」
「その様にして攻めるぞ」
 こう言ってそうしてだった。
 政宗は片倉と成実だけでなく一軍を率いている小次郎にもその考えを伝えに伝令を送って自身の考えを伝えた。そのうえで。
 戦いつつ戦局を見据えていた、そして。
 読み通りに敵が茂庭が率いる軍勢に敵軍は一度に攻めてきたのを見てだった。
 すぐにだ、全軍に命じた。
「よいか、爺の軍勢に一度に攻めてきた時にじゃ」
「その時にですな」
「我等も動き」
「そうしてですな」
「敵を叩くのですな」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。 
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