ハッピードッグハッピーライフ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
「ドン底だったのがこんなに幸せになるからな」
「だからですね」
「ああ、本当にな」
「ちょっとしたことで変わる」
「幸せになれるんだからな」
こう記者に話した、そして。
ジョッシュは家に帰ってそこから画材を取り出し。
ジョンと共にロンドンの街に出た、そうして絵を描きはじめたが。
そこにホームレス時代の仲間達が来た、皆今は仕事先に住む場所も手に入れて社会復帰を果たしている。
「よお、元気そうだな」
「今日も描いてるな」
「頑張ってるな」
「幸せにやってるな」
「ああ、この通りな」
ジョッシュは彼等に笑顔で答えた。
「やってるよ」
「それは何よりだよ」
「俺達も俺達でやってるしな」
「お互い頑張っていこうな」
「そうしていこうな」
「ああ、それでな」
ジョッシュは仲間達に笑顔で話した。
「今描いている絵だけれどな」
「ああ、何だ?」
「何描いてるんだ?」
「今度はどんな絵なんだ?」
「こんなのだよ」
こう言ってその絵を見せた、その絵はというと。
ジョンと彼と一緒に笑顔でいる子供達を描いたものだった、彼は仲間達にその絵を見せつつ話した。
「前に見た景色でな」
「今描いてるか」
「そうなんだな」
「ああ、それでな」
そのうえでというのだ。
「これからも他の絵を描いていくな」
「そうか、頑張れよ」
「これからもな」
「お互いそうしていこうな」
「そうしような」
ジョッシュは笑顔で言った、そうしてジョンを見ながら描いていった。その顔には幸せが存在していた。
ハッピードッグハッピーライフ 完
2020・11・23
ページ上へ戻る