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ハッピーホワイトキャット

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第三章

「東京にね」
「いられそう?」
「ええ」
 沙央梨に微笑んで話した。
「アルバイト長期になったしね」
「お給料いいのよね」
「大変だけれどね」
 清掃のそれはというのだ。
「何かとね、けれどね」
「お給料がよくて」
「部屋代も大丈夫だしね」
「そうなのね」
「ええ、頑張ってお金稼いでるから」 
 このこともあってというのだ。
「そちらもよ」
「よかったわね」
「ええ、それにね」
 ここでだ、鞠子は。
 自分のところに来た白猫、尻尾は途中から左の後ろ足はほぼ完全にない猫を撫でて笑顔でこう言った。
「この娘ともね」
「一緒にいられるのね」
「そうなったわ、まあ学校は辞めたけれど」
 それでもというのだ。
「正社員にもって言われてるし」
「余計にいいわね」
「ええ、本当によかったわ」
「そうね、それでね」 
 沙央梨は鞠子の膝の上に来た猫を見て彼女に問うた。
「その猫ちゃんの名前何ていうの?」
「真白っていうの」
「白猫だからよね」
「ええ、真っ白な毛だからね」
 それでというのだ。
「真白って名付けたの」
「そうなのね」
「今じゃすっかり元気になったし」
 その真白はというのだ。
「よかったわ」
「それは何よりね」
「このお部屋日当たりいいし近所に安いスーパーもあるしね」
「いいこと続いてるわね」
「ええ、真白と出会ってから」
 その時のことから話した。
「凄くいいことばかり続いてるわ」
「真白ちゃんは鞠子に幸せを運んでくれてきてるのね、いえ」
「いえ?」
「鞠子があの時真白ちゃん助けたでしょ」
 傷だらけだった彼女をだ。
「迷うことなく」
「あの時ね」
「その鞠子の心を真白ちゃんが見てね」
「幸せをくれているのかしら」
「自分を助けてくれたから」
 鞠子がというのだ。
「そうじゃないかしら」
「そうだとしたら嬉しいわ」
 鞠子は自分の膝の上にいる真白を撫でながら沙央梨に答えた。
「真白もすっかり元気になったし」
「そこで真白ちゃんのことを言う様な人だからね」
「真白も幸せをくれるのね」
「そうじゃないかしら」
「そうだとしたら嬉しいわ」 
「ニャ~~~」
 ここで真白は一声嬉しそうに鳴いた、その顔は心から笑っている様だった。鞠子も沙央梨もその真白の顔を見て笑顔になった。鞠子が正社員になり収入がさらに安定したのはその後だった、鞠子はずっと真白と笑顔で一緒にいた。


ハッピーホワイトキャット   完


                2020・11・20 
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