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夢幻水滸伝

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第百七十二話 プールに行ってその十四

「雪路さんは」
「そうなの」
「言葉遣いも穏やかだし」
「まあ手芸部だしね」
「女性的なのかな」
「その分ね」
「確かに雪路ちゃん女性的やな」
「そやな」
 佐藤兄妹も来た、佐藤は黒に近いダークグリーンのトランクスの水着で香菜は兄と同じ色の競泳水着だ。
「仕草も性格も」
「趣味もな」
「自分等は色お揃いか」
 芥川は自分の弟子の双子にこう言った。
「そやねんな」
「二人共この色が好きで」
「それで、です」
「忍者の色にしました」
「あっちの世界では実際に忍者ですし」
「そやねんな、しかし妹の方は」
 その競泳水着の姿を見て言う。
「かえってやばいな」
「競泳水着やとですか」
「そや、競泳水着やろ」
「そやからですか」
「スタイルがはっきり出るからな」
「そやから言うたやろ」
 兄も妹に言った。
「競泳水着はな」
「露出少ないけど」
「かえって目立つんや」
「スタイルがはっきり出て」
「そやからグラビアでも使われるんや」
 そうだというのだ。
「ボン、キュッ、ボンが出てな」
「私そんなにスタイルよくないやろ」
「いや、結構以上に」
 田中は香菜の年齢の割に均整が取れたそれを見つつ話した。
「ええし」
「そやろか」
「男は悩殺されるで」
「そうやとええけどな」
「付き合うならええ男にするんや」
 佐藤は妹に横から言った。
「やっぱりな」
「悪い男には要注意やな」
「間違っても球界の元番長とかアホなボクサー一家の連中とかな」
「あんな連中誰が付き合うかいな」
 妹の返事は一言だった。
「私かて嫌や」
「そやな」
「あと巨人ばかり贔屓する知ったかぶりの落語家とかな」
 この輩もというのだ。
「いらんわ」
「ガチャ目でスキンヘッドのテレビ人もな」
「全員あかんわ」
 それこそというのだ。
「ほんまにな」
「わかってたらええわ」
「というか」
 鈴子は白地に桜の柄のビキニである、小柄であるが胸は結構ある。見ればビキニの後ろも下も左右は紐だ。
「その人達は」
「彼氏にしたくないな」
「そんな人達で」
「付き合うの論外やな」
「実際に」
「酷いにも程があるだ」
 黒白のチェス盤模様の露出が大め、上は首の後ろで括っているワンピースというのが宮子の水着だった。雪の様な肌でスタイルは全体的にかなりのものだ。
「そうした連中は」
「まあそやな」
 仮名もそれはと言う。
「実際に」
「だからね」
「論外やな」
「言うなら」
 そうだというのだ。 
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