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夢幻水滸伝

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第百七十二話 プールに行ってその九

「そやってんな」
「そやな」
 羅はメルヴィルのその言葉に頷いた。
「これがな」
「スタイルええな」
「肌も奇麗やし」
「お世辞を言っても出るのは水着姿だけよ」
 シェリルは男達にこう返した。
「見たいなら幾らでも見ていいけれど」
「ええんか」 
 施はシェリルのその言葉にすぐに返した。
「見るのは」
「見るだけなら」
 シェリルは施にあっさりとした口調で答えた。
「別でええから」
「それだけやとか」
「撮影は駄目だけれど」
「まあそれはな」 
 トウェインもそれならと頷いた。
「あかんな」
「画像がネットで出回ったりしたら嫌だから」
「それはそやな」
「だから見るだけ」
 それのみというのだ。
「それだけなら」
「ほなな」
「それでだが」
 リーが言ってきた。
「ここには星の者が全員集まっているな」
「ああ、太平洋と地下世界のな」
 芥川はリーのその言葉に応えた。
「全員集まってるで」
「ならそれぞれ会ってだ」
「話をしてやな」
「実際に親睦を深めよう」
「そうするんやな」
「水着もいいが」
 それでもとだ、リーは芥川に話した。
「我々の今の本来の目的を果たしてだ」
「楽しむべきやな」
「飲んで食べることもな」
 このこともというのだ。
「忘れないことだ」
「そこ自分ならではやな」
「真面目というのか」
「ああ、水着がどうとかよりもか」
「私も男なので水着は好きだ」
 リーはこの感情は否定しなかった。
「そのことは事実だ。だが」
「それでもやねんな」
「本来の目的を果たすべきだ」
 何といってもというのだ。
「水着はそれからでもいい筈だ」
「まあそれはな」
「ではだ」
「これからか」
「親睦を深めていこう」
「そやね、今はそれぞれの勢力同士で固まってるみたいやし」
 綾乃が明るく言ってきた、身体を動かすとそれに応じて胸も動く。その胸の動きが実にリアルなものだった。
「まずは日本のとこに行こか」
「綾乃ちゃん達のところね」
「そうしよな、それでそれぞれの勢力が」
 綾乃はシェリルに応えて話した。
「一つになるけど」
「その一つの勢力になる前の」
「そう、今はまだそれぞれの勢力で固まってるさかい」
「一つ一つ回っていくのね」
「そうしてこな、うち等が」
「そういうことね」
「今からそうしよな」
 綾乃は明るく言った、そしてだった。
 綾乃が先導する形で十人はまずは日本の者達が集まっているプールサイドのかき氷や屋の前に来た、そこに行くと。
 日本の星の者達が全員いた、皆水着姿だ。
 その中から黒のトランクスの水着の幸田が最初に挨拶をした。
「おう、十人全員で来たのかい」
「わし等今からかき氷食うだがや」
「君達もどうだ」
 それぞれ赤、青の水着の坂口と室生も言ってきた。 
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