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夢幻水滸伝

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第百六十八話 力の差その七

「それで戦っていくか」
「それしかないですね」
「ああ、戦っていくぞ」
「わかりました」
「砲撃もな」
 軍曹は自分達が砲兵隊であることから言った。
「するな」
「はい、どんどん撃ちますか」
「疲れていてもな」
「ええ、じゃあ」
「また攻撃命令が出るからな」
 軍曹は自分達の傍の大砲を見つつ話した。
「だからな」
「準備しておきますか」
「そうするぞ」
「わかりました」
 兵士も応えてだった。
「それで砲撃はですね」
「やったるわ」
 軍曹はついつい部下に対する口調が弱まって地の言葉が出た。
「徹底的に」
「わかりました、ほな」
 兵士も地の言葉が出た。
「やりましょう」
「数で押す」
 砲撃はとだ、こう言って砲撃の間を待つ。だがその目の前でだった。
 正岡はクッツェーと一騎打ちを行っている、軍曹はその二人を見て兵士に言った。
「砲撃もな」
「お二人に当たらん様にして」
「そうしてな」
「やるべきですね」
「巻き添えにならん様にもして」
 その一騎打ちのというのだ。
「そうしてくで」
「ほなそういうことで」
「やってくな」
「わかりました」
 兵士も頷く、そしてだった。
 彼等は今は砲撃を止めていた、その彼等の前で。
 正岡はクッツェーに一撃を浴びせた、短筒から気の弾丸を放つ。
 クッツェーはそれをヴァジェトの杖から出した炎の弾で迎撃する、空中を舞いつつ二人は闘っている。
 その中で正岡はクッツェーに言った。
「おまんもやるぜよ」
「強いですか」
「そうぜよ」
「いや、拙者は戦闘はどうも」
 クッツェーはそのスケルトンの顔で応えた。
「苦手でござって」
「それでって言うんじゃな」
「今も苦労しています」
「いや、中々やるぜよ」 
 正岡はクッツェーのその言葉に笑って帰した。
「わしの今の一撃を防ぐなんてぜよ」
「やるとですか」
「言えるぜよ、この短筒は特別じゃからのう」
「神具でありですね」
「わしの尊敬する坂本龍馬さんが使っていたものぜよ」
 その短筒であることも話した。
「かなりの銘品じゃ、その攻撃を防ぐとはのう」
「貴方の射撃の腕も含めてですね」
「そうぜよ、おまん強いぜよ」
「そう言って頂けると冥利に尽きます」
 クッツェーは空中で正岡と対峙しつつ述べた。
「ではそのお言葉に応えて」
「全力で戦ってじゃな」
「勝たせてもらいます」
 こう正岡に告げたのだった。
「これより」
「その意気ぜよ、戦をするんなら」
 正岡は基本戦を好まない、話し合いで解決すればそれがいいと考えている。このことはカマンダと同じである。
「全力でやることぜよ」
「相手を侮ることなく」
「わしは戦は好かんが相手を馬鹿にする奴は嫌いぜよ」
 好きでないどころかというのだ。 
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