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夢幻水滸伝

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第百六十八話 力の差その六

「日本の海つまり地の利のある場所で戦ってるしな」
「そのことも大きいな」
「ずっと待っていて英気も養ってたしな」 
 このことも大きかったというのだ。
「ほんまにな」
「こっちは疲れん様にして敵を疲れさせる」
「そうもしていってな」
「よかったな」
「ほんまにな」
 実際にというのだ。
「それが充分生きてる」
「そういうことやな」
「そや、ほなな」
「このまま戦ってくな」
「ああ、思う様に攻められる時まで待ってな」
 こう言ってだった。
 芥川は采配を振るい自分も神具を手に戦い続けた、戦局は確かにある程度ではあるが日本軍が押していた。
 連合軍も果敢に戦う、だが。
 やはり疲れが出ていて思う様に戦えない。ある兵士が軍曹に言っていた。
「何かです」
「疲れているか」
「ちょっと」
「昨日あまり寝ていないからな」
 軍曹もこう言った。
「そのせいだな」
「昨日見張りについてです」
「あまり寝ていないか」
「寝ることは寝ましたが」
 完徹ではなかったが、というのだ。
「ですが」
「疲れがか」
「ちょっと」
「我慢しないといけないがな」 
 それでもとだ、軍曹は兵士に返した。見れば兵士の階級は一等兵のものである。
「俺もな」
「軍曹もずっと起きていましたね」
「四時間寝たがな」
「四時間だとですね」
「やっぱりな」 
 どうしてもというのだ。
「疲れが出るな」
「そうですよね」
「もう少し寝たかったな」
「全くですね」
「その疲れがな」
「堪えますね」
「くそっ、やってくれたな」 
 リザードマンの軍曹は蛙人の兵士に述べた。
「本当に」
「日本軍は」
「俺達を寝かせなかったな」
「その寝かせなかったことがですね」
「あいつ等の策だったんだよ」
 日本軍のというのだ。
「そうだったんだよ」
「そうですね」
「少しでもな」
 時間があればというのだ。
「寝たいな」
「そうですよね」
「これじゃあシェスタなんてな」 
 昼寝、それもというのだ。
「無理だな」
「ですね、激しい戦になっていますし」
「何もかもな」
 まさにというのだ。
「日本軍の思い通りだな」
「俺達を疲れさせる為に起きる様にして」
「そしてだ」
「戦に持ち込みましたね」
「これで数が少なかったらな」
 連合軍がというのだ。
「負けてるな」
「そうですよね」
「数が多いからな」
 今の自分達つまり連合軍はというのだ。 
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