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夢幻水滸伝

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第百六十八話 力の差その二

「我々の方が遥かに上だ」
「そのこともありますね」
「だから有利に戦えますね」
「我々の方が」
「何よりも私がいる」
 室生は自分自身のことも話に出した。
「指揮官がな」
「対するあちらは指揮官は一騎打ちに出ています」
「空船の艦隊を動かすべき星の方が」
「しかしこちらには室生様がおられる」
「星の方が」
「やはり星の者の采配は違う」
 この世界では星の者の能力は元からこの世界にいる者達よりあらゆる分野で遥かに上だ、職業のレベルでは元の世界の者が精々四十位だというのに星の者は百八十を優に超えている。そして指揮能力も全く違っているのだ。
「だからな」
「ここはですね」
「我々が勝てますね」
「左様ですね」
「その分な、ではここは敵艦隊の下に潜り込む」
 こう指示を出してだった。
 室生は自身が率いている空船の艦隊を敵軍の下にやりそこからだった。
 砲を上ぬ向けてまるで高射砲の様に放たたせた、すると。
 弱い船底を撃ち抜かれた連合軍の船は次々に落ちていった、室生はその中で。
 自身も術を使いかつ神具も使った。神具の天羽々矢の威力は凄まじく一撃で敵の空船を消し飛ばした。
 一撃また一撃と攻撃を放って室生も敵の空船を落としていく、彼は戦いつつこう言った。
「敵は多いが」
「それでもですね」
「一隻一隻確実に落としていく」
「そうしていきますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵の空船を全て落とした後はな」
「その後は、ですね」
「陸上への攻撃に移りますね」
「そうしていきますね」
「そうする、まずは空での戦いに勝つ」
 こう言ってそうしてだった。
 空での戦いを続けた、日本軍は空でも数は少ないが有利に戦っていた。
 その状況を見てだった、芥川は会心の笑みで言った。
「空は大丈夫や」
「室生の旦那が上手に戦ってるな」
「敵軍の上下にまで移動してな」
 こう狐に話した。
「ほんまにや」
「上手に戦ってるな」
「空の戦いは平面やない」
 芥川はこのことを指摘した。
「立体や」
「そやな」
「それでや」
「ああしてやな」
「敵の上や下にも動いてな」
「そうしてやな」
「攻めればな」
 その様にすればというのだ。
「ああして縦横に戦える」
「そういうことやな」
「ああ、それでな」
 芥川はさらに話した。
「空の戦が終わったらな」
「その後はやな」
「陸の敵を攻撃してもらう」
「そうなればさらに有利に戦えるな」
「そや、まあそれは当分先やけどな」
 日本軍の空船の艦隊が陸上の連合軍を攻撃することはというのだ。
「それはな、けどな」
「その時が来ればな」
「日本軍はまた有利に立てる」
「そうなるな」
「そや、そしてな」
 芥川は今度は今戦場で行われている星の者達同士の一騎打ちを見た、その一騎打ちはどれも激しいものだったが。 
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