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『漆黒の宝箱』

作者:零那
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『赦し』



赦す事で洗われるならと思った。
赦す事が正しいと思った。

其れが愚かな勘違いだった。

赦しても何も変わらない。
むしろ歪んでく気がした。

尚更真っ黒に染まった気がした。

必要なのは波の音、海月の揺らめき、月の灯り。
こんな僕でも赦してくれる。

此処なら、何もかも包んでくれる。

たとえ、赦す事が出来なくても。
そして、赦される事が出来なくても...


 
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